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わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

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7-3

 私は、放課後、体操着にラグビーボールを持って、紳おじちゃんはスパイクも買ってきてくれたのだ。最初、どうしょうかと思ったけど、サッカーをやっているグラウンドの端っこで、とりあえず、ボールを蹴ってみた。うまく足に当たらないけど、だんだんと・・。そして、それを追っかけたりしていると

「お前 そこで 何やってんねん」

 あっ 前に見たことある 確か 重光 とか

「何ってー ボール 蹴ってるんや!」

「ボールって それ ラグビーのボールやろ?」

「そうやー それがぁー?」

「うん 端っこで 変なことやってる女の子が居るってー みゅうみゅんだったのか 帯士もあそこに居るぞー」

「そう まぁ サッカーやってるんやからなー あんたも はよー 練習しといでぇーな」

「ふぅ~ん 変な奴やなー」

 何だか、ひとりでも汗をかいて、手洗い場で足とか拭いていたら

「みゅうみゅん 何 やってんだよー」 たっ君だ。

「たっ君 みゅうみゅんは 練習してたの」

「練習って ひとりでか? それもラグビーのボール?」

「そーだよ みゅうみゅんはラグビー始めます」

「ラグビーって そんなこと 一言も言ってなかったヤン」

「まぁね 言いそびれたーカナ」

「みゅうみゅんなぁー そんなこと・・・ それに、ラグビーって なんやねん」

「うん かっこう ええからやってみたいんやー」

「それにしても 一人でかぁー」

「そのうち 増えるってー まぁまぁ 見とってー」 

 そして、次の日も私ひとりで・・・出来るだけサッカーには邪魔にならないようにしていたつもりだったんだけど、サッカーの顧問をしてるらしい先生が、寄って来て

「そこの君! あのなー 危ないんだよー」

「はぁー 気を付けてますから 大丈夫 平気」

「平気じゃあない! だいたいやなー クラブ活動以外に 生徒がグラウンドをこうやって使うのは許可が要るんだよ 許可取ってるの?」

「へっ そんなの要るの? 知らんかった ごめんなさい 許可って 誰にもらうん?」

「まぁ 担任を通して 事務室とか校長とか・・」

「へぇー はっきり 決まって無いんやー そしたら、先生じゃぁ あかんの?」

「えっ なんでーゃ そもそも どうして そんなことやってるんや?」

「うん みゅうみゅんは ラグビーやりたいの! だけど、今は ひとりなんやー 誰かに教えて欲しいんやけどなー 先生はぁー?」 

「いや 僕は・・出来ない サッカーしか ・・・ でも、美術の紅林《くればやし》先生は 確か 大学の時も・・ いや 知らん 知らん それよりもー こんなとこでは 危ないんだヨ 部員達も気が散るしー」

「わかったぁー 紅林先生ねっ! その許可っていうやつも ラグビーも教えてもらうね 先生 ありがとうございます さっすがぁー」と、私は、頭を下げて丁寧にお礼を言っていた。それも、出来るだけ可愛く言ったつもりだつた。

「うっ いや まぁー」と、戸惑っていたみたい。

 私は、その後、グラウンドのはずれにある雑草が所々に生い茂って、土もボコボコしたとこの空地で、自分の蹴ったボールを追いかけていたのだ。

 そして、帰る前に美術室を覗いてみると 居た! 紅林先生。

「失礼します 先生」

「あぁー どうした? 君は 確か 1年生の水島さん」

「ピンポン 水島実海です お話 あるんですけど」

「うん 何だい?」

「あのぅー 先生って 大学までラグビーやってたって聞いて・・・」

「あぁ 強く無かったけどなー 好きで」

「お願いがあるんです ウチにラグビーってものを教えてください」と、又、頭を下げていた。

「君なぁー いきなり、なんだと・・ 女の子に・・ 無理だろう」

「みゅうみゅんは 真剣です 憧れてるんです ラグビーボールを持って走り回るの! お願い! 教えてぇー」

「かと言ってもなぁー 無茶苦茶ちゃうんかぁー?」

「お願いします さっき グラウンドでボール蹴って追いかけてたら、サッカーの顧問の先生に危ないからからとか、放課後にクラブ活動以外の生徒が使うのは許可がいるんだとか言われて・・・グラウンドのはずれにある 空地 見つけたの あそこなら良いんじゃあないかと 先生! ウチ 真面目にラグビーが好き どうぞ 助けてください 日本のラクビーを救うと思って」

「あはっはー 君はおもろいな! まぁ 考えとくよ 僕も いきなりと言ってもな! 水島さん 君のデッサン なかなか いいなぁー しっかりと書けている 絵はやっていたのか?」

「うん 小さい頃から お母さんと 一緒に書いていたから・・」

「そうか お母さんは 美術関係なのか?」

「うー よー 知らんけど 大学もそっちのほうを卒業してて 今は、島の子供達に絵とか勉強教えているよ」

「そうなのかー そーいえば、君は6年生の時に転校してきたとか 良いお母さんだね」

「うん 世界一の まわぁまんまー なんだー」

 その日は、早い目に帰って、水島の家に行くようにしていた。入学祝いももらっていたし、中学の制服姿を見せてらっしゃいとばっちゃんに言われていたから。違う方向のバスに乗って、向こうのお家に。

「いらっしゃい 実海ちゃん まぁ すっかり 中学生ネ」

「こんにちは ばっちやん」

 ジュースとケーキでもてなしてくれて

「絢ちゃんが こぼしていたのよ 実海は聖女学院に進んでくれなかったって でも、そんなの 実海ちゃんが行きたいとこ行けば、良いのよねぇー どう? 中学 楽しい?」

「うん 良かったぁーって思ってる あのね ばっちゃん みゅうみゅんは中学でラグビー始めようと思ってるんだぁー 始めた!」

「・・・ラグビー? ぁー・・・」

「うん カッコ良いし 楽しいよ」

「そう・・・ 元気だからネ ・・・ おうちでは 知ってるの?」

「うん でも まわぁまんまーには話して無い 内緒にしてるわけちゃうねんけど・・」

「そうなの まぁ びっくりするでしょうネ」

「どうだろう まぁ 好きにしなさいって 言ってくれる と、思ってるんだぁー」

「そうねぇー 実海ちゃんは小さい頃から 男の子と同じようだって言っていたからね だけど、学校にはそのクラブって無いんでしょ?」

「うん だから これから 仲間集める」
 
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