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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第四話 吸血鬼の話その五

「それでなのですが」
「君達のマスターはどういった姿をしているのか」
「それです。一体」
「どういった格好なのか」
「それですね」
 吸血鬼もだ。彼等のその言葉にだ。
 すぐにだ。こう答えたのだった。
「服装は僕と同じでして」
「タキシードにマント」
「それか」
「はい、これは吸血鬼の正装です」
 そうだというのだ。彼が今実際にしている格好はだ。
「二十世紀初頭から決まっているんです」
「あれっ、昔は違ったの」
 カツオは吸血鬼その話を聞いて述べた。
「そうだったの」
「そうだよ。昔は正装も違ったんだよ」
「というとどんな服を着てらしたんですか?」
「昔の貴族の礼装だったんだ」
 かつて着ていたのはそれだというのだ。
「僕達は闇の貴族とも言われているからね」
「だから貴族の礼装なんですか」
「その時代ごとのね」
「それでタキシードなんですか」
「マントは翼みたいなものだよ」
 マントについても語られた。
「これはね」
「マントはそれなんですか」
「そう、僕達は空も飛ぶから」
 ただしこの姿で飛びはしない。宙に浮かぶことはあってもだ。
 それでも吸血鬼本来の姿で飛ばない。それならばだった。
「蝙蝠に姿を変えてね」
「ああ、だから僕の背中に蝙蝠の翼があるにゃ」
 にゃんぱいあはここで自分のその背中のことがわかった。
「それでだったにゃ」
「そうだよ。吸血鬼は蝙蝠にもなれば」
 それに加えてだった。
「狼にもなれるし霧にもなれるし」
「何だ?結構変われるだな」
「吸血鬼の能力は多彩なんだ」
 まさむにゃにもこう話す。
「だから蝙蝠にもなれて」
「それでマントもあってか」
「そういうことだよ。ついでに言えば」
 今度は吸血鬼の方から話した。
「僕達はこうして日の下にいても大丈夫だよ」
「そうそう。それ位では何でもないんですね」
 にゃてんしはだ。どうやらそのことを知っていたらしい。
 それで実際にだ。こんなことも言った。
「カーミラさんや伯爵さん普通にいましたからね」
「あの人達は吸血鬼の中でも名士だよ」
 この吸血鬼も彼等のことを知っていた。しかも名士だというのだ。
「素晴らしい人達だよ」
「そうですよね。あと大蒜も」
「あれが通じるのはスラブの吸血鬼だから」
 吸血鬼のルーツの一つはそこにある。東欧にだ。
「僕は大蒜とトマトを使ったパスタも好きだから」
「そうそう、トマトに大蒜を入れると余計に美味しいんだにゃ」
 またにゃんぱいあがこのうえない笑顔で話す。
「僕も大好きだにゃ」
「そう、パスタもいいね」
 吸血鬼はさらに上機嫌で話す。
「イタリア料理もいいよね」
「吸血鬼にイタリアというのは」
 茶々丸にとっては。それは。
「あまり合わないと思いますが」
「あれっ、そうかな」
「ルーマニアとかならともかく」
「ルーマニアもラテン系だよ」
 イタリアと同じくである。実はそうなのだ。
「だから別に構わないじゃないかな」
「では好きなものは何ですか?」
「パスタの他には赤ワインで」
 吸血鬼は茶々丸のその話に応えて言う。
「あとは鮪のお刺身も」
「和食も好きにゃ?」
「だから日本にいるんだよ」
 そうだともいるのだ。
「和食が好きだからね」
「ううん、やっぱり何ていうか」
「人間的だな」
 五代も一条もだ。あらためてだ。
 吸血鬼自身の話からだ。彼が人間であることを知ったのだった。
 
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