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ドリトル先生とラーメン

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第三幕その五

「五分位待ちました」
「そうなんですか」
「はい、気が逸ってしまいましたね。ただ」
「ただ?」
「先生も十分前に来られましたね」
「人を待たせることは礼儀に反しますので」
「だからですか」
「はい」
 それでというのです。
「十分前にです」
「来られましたか」
「そうです、ではこれから」
「少し早いですが」
 それでもというのです。
「中華街に行きますか」
「そうしましょう」
 二人でお話してでした。
 先生は日笠さんと一緒に中華街に行きました、それが一体どういったものであるのかご自身では気付かないまま。
 そして中華街に着くと日笠さんは早速言いました。
「お店が開くまで時間がありますね」
「そうですね、食べものの」
 先生も頷きました。
「どうも」
「それなら街の中を歩いて」 
 中華街のというのです。
「観て回りませんか」
「いいですね」
 先生も笑顔で頷きました。
「それもまた」
「そうですね、それでは」
「これからですね」
「色々見て回りましょう」
「案内させて頂きますね」
 日笠さんから言ってでした。
 そうして中華街の中を見て回ってです、そして。
 お土産のお店に入ると先生は言いました。
「あの、何かです」
「何でしょうか」
「欲しいものはありますか?」
 何も気付かないまま言うのでした。
「何でしたら」
「買って頂けるのですか」
「はい、日笠さんさえよければ」
 にこりと笑って言うのでした。
「そうさせて頂きます」
「そうですか」
「ですから」
 それでというのです。
「これからです」
「私が欲しいものをですか」
「買わせて頂きます」
「それはです」
 日笠さんはお顔を真っ赤にさせて言いました。
「遠慮させて頂きます」
「そうですか」
「はい、ですから」
 それでというのです。
「お気遣いなく」
「そうですか」
「お気持ちだけで」
「それでは」
「私よりもです」
 日笠さんは先生にこう返しました。
「出来ればです」
「出来れば?」
「はい、お家の人達にです」
「お土産をですね」
「買われては」
 こう提案するのでした。
「そうされてはどうでしょうか」
「そうですか」
「はい、どうでしょうか」
 先生に言うのでした。
「今回は」
「そうですね」
 人のお話を聞く先生はそれならと頷きました。 
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