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長嶋さん伝説検証

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第二章

「アメリカ行って皆英語上手とか左ハンドル多いとか」
「事実だぞ」
「駅前に車のキーかけたまま置いて遠征行ったり」
「やっぱり事実だ」
「息子さん球場に呼んで置いていったり」
「それもなんだよ」
「こうした逸話が全部事実って」
 それはというのだ。
「おかしいでしょ、盛ってるでしょ」
「持ってないぞ、あとそうしたことする理由あるからな」
「そうなの」
「発達障害あるだろ」
 中村はここでこの障害の話をした。
「ADHDとか言われてるな」
「最近話題になってるわね」
 井上もこのことは聞いていて知っていた。
「何でも」
「それでな」
 そのうえでとだ、中村はさらに話した。
「発達障害のことと合わせて長嶋さんの逸話の真相を調べるとな」
「いいのね」
「ネットでも出来るからな」
「わかったわ、しかし阪神今日も強いわね」 
 井上は気付けば巨人に三回終わって十対零となっている阪神を観て笑顔になった。
「青柳さん一安打しか許しれないし」
「このままいけば完封だな」
「そうね、今日勝ったら巨人に十連勝ね」
「巨人は十七連敗でな」
「ざま見ろね」
 こうした話もした、そしてだった。
 試合、巨人に二十五対零三安打完封で勝った試合を観てだった。
 家に帰ってから自宅のパソコンで長嶋さんの逸話の信憑性それに発達障害について調べた。そして。
 後日大学でだ、井上は中村に話した。
「長嶋さんのことわかったわ」
「全部事実だっただろ」
「それでどうしてああしたお話が多いか」
「それもわかったな」
「あの人発達障害なのね」
「それもはっきりとわかる位のな」
 中村も言った。
「そうなんだよ」
「そうなのね」
「そうした人ってことでな」
 それでというのだ。
「わかったな」
「ええ、物凄い逸話はね」
「そうした個性なんだよ」
「そうなのね、よくわかったわ」
 井上は心から言った。
「長嶋さんのことも発達障害のこともね」
「そうだろ、ただ凄い人なのはな」
「事実ね」
「巨人の人でもな」
「そうよね、しかし今回色々勉強になったわ」 
 井上はしみじみとして言った。
「長嶋さんのことからね」
「そうか、それはよかったか」
「ええ、じゃあ今度甲子園何時行くの?」
「これから話すか」
 鵜足でそちらの話に入った、そうして阪神の試合の観戦を楽しむのだった。その中で井上はさらに長嶋茂雄について調べそこから発達障害も知っていった。そしてこの個性について理解を深め何かと役立てていくのだった。


長嶋さん伝説検証   完


                     2023・11・19 
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