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スタイルのいい後輩から

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第二章

「俺も国公立だしな」
「大阪の方の大学ですよね」
「ああ、帝大じゃないな」
「府立と市立が合併した」
「あそこに行くつもりだよ」
「そうですよね」
「それがどうしたんだ」
 才蔵は安奈に進路のことを聞かれてどうかという顔で応えた。
「一体」
「まあそれはおいおい、兎に角今は数学も頑張りますね」
「それじゃあ教えるな」
 才蔵は安奈に頼まれるまま教えた、安奈は他には塾にも行って熱心に勉強した。才蔵は無事にその大学に進学してだった。
 キャンバスライフに入ったが安奈はその彼にずっと勉強を教わり講習も受けて必死に勉強した、そして。
 受験に入ったが彼女は才蔵の家に行って満面の笑みで言った。家が隣同士なので行くのは実に楽だった。
「先輩の大学それも同じ学部にです」
「合格したのか」
「はい、無事に」
 満面の笑顔で言うのだった。
「よかったです」
「それは何よりだな、けれど何で俺と同じ大学で同じ学部なんだ」
「それは決まってます」
 これが安奈の返事だった。
「先輩と一緒にいたいからですよ、これからも」
「何っ、じゃあまさか」
「そのまさかです。それでご返事は」
「俺だって嫌いじゃないからな」 
 才蔵はその返事を告げた。
「だからいつも頼まれるとな」
「教えてくれましたね」
「その間その顔とスタイル見てな」
 才蔵は顔を赤くさせてさらに言った。
「困ったよ」
「ということは」
「これからはお隣同士幼馴染みじゃなくてな」
「恋人同士ですね」
「それで宜しくな」
「こちらこそ」
 安奈は才蔵ににこりと笑って答えた、そうしてだった。
 二人は同じ大学同じ学部で交際する様になった、それからお互い就職してから一緒に暮らす様になった。そんな二人の話である。


スタイルのいい後輩から   完


                  2023・11・15 
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