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ドリトル先生とラーメン

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第一幕その五

「本当にね」
「まずないよね」
「日本のお料理だよ」
「そもそもカツカレーは日本人が考えたものだし」
「千葉茂さんっていう野球選手がね」
「博多の豚骨ラーメンなんてね」
 博多の代名詞とさえなっているこのラーメンはというのです。
「中国にないしね、ラーメンというと亜種になるけれど」
「亜種?」
「亜種っていうと何かな」
「ラーメンのそれって」
「ちゃんぽんだよ、長崎が有名だね」
 こう皆にお話しました。
「ちゃんぽんだと」
「ああ、長崎ちゃんぽんだね」
「長崎名物だね」
「何といっても」
「あのお料理も中国にはないから」
 そうだというのです。
「長崎の中華街にはあるけれどね」
「普通にあるよね」
「名物としてね」
「ラーメンみたいに普通にね」
「長崎のあちこちで食べられて」
「中華街だってね」
「そうなんだよね」 
 これがというのです。
「本当にね」
「いや、何で日本人がそう思えるか」
「ちょっと不思議な位だね」
「ラーメンや餃子やカレーが他の国のお料理だって」
「ナポリタンにしても」
「アレンジしても他の国に起源があったら」 
 それならというのです。
「日本人はそう考えるということだね」
「ううん、謙虚なのかな」
「日本人らしく」
「そう考えていい?」
「どうなのかな」
「そこはわからないね、僕も」
 先生にしてもです。
「どう言うべきか」
「まあそれも日本人の考えかな」
「はじまりがその国ならその国のもの」
「自分達がアレンジしただけ」
「元はそうだってね」
「そうだね、漢字だってね」
 日本で広く使われているこの文字もというのです。
「元は中国だってはっきり言ってるしね」
「もうね」
「完全にそうだしね」
「その漢字から平仮名や片仮名も生み出したって」
「はっきり歴史の本でも書いてるしね」
「そのことはね」
 本当にというのです。
「日本人はね」
「書いてね」
「自国のものだって言わないね」
「何があっても」
「自分達が起源と言っても」 
 それでもというのです。
「それでどうなるか」
「ならないしね」
「そもそも」
「そうだよね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「そうしたことはちゃんとしていることはね」
「日本人のいいところだね」
「他の国の起源ははっきり言う」
「そのことはね」
「いいことだよ」
 本当にというのです。 
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