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夢幻水滸伝

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第三百二十一話 北太平洋の中心その四

 サンダーバードに乗ってロサンゼルスからホノルルまで驚くべき速さで飛んだ、そうしてホノルルに着いたが。
 その彼を前にしてだ、ドワーフジャイアントで火によく焼けた肌を持つホノルル辺りの部族の酋長でもある市長は驚愕して言った。
「今ロサンゼルスを発たれたとです」
「知らせがあったか」
「そうだったのですか」
「移動の術を使わんでもな」
「そうした道具もですか」
「わいは神具に乗ったらな」
 今は後ろにいるサンダーバードを見て話した。
「ほんま下手な飛行機に乗るよりもや」
「速くですね」
「飛べるんや、乗りものの神具はな」
 そうしたものはというのだ。
「戦えるし速さもな」
「かなりのものですか」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「ここまで一飛びでな」
「来られるのですね」
「そや、それでホノルルまで来たさかい」
「これからはですね」
「ここに何時でも術を使ってや」
 移動の術をというのだ。
「わいは来られるで」
「わかりました、実はお話をしまして」
 市長はトウェインに自分が階段を申し出た理由を話した。
「そのうえで」
「降るかどうか決めるつもりやってんな」
「そうでした」
 言葉は過去形であった。
「ですがもう」
「決まったか」
「はい」
 確かな声での返事だった。
「最早」
「そうなんやな」
「降ります」
 一言での返事だった。
「そうさせてもらいます」
「それでわいの統治受け入れるか」
「民の安全と繁栄をお願いします」
「それは当然のことや、それで自分もこれからもや」
「ホノルルの市長ですか」
「そっちは選挙に勝つ限りな」
 当選する限りはというのだ。
「やってもらう、それで酋長の方はな」
「部族で、ですね」
「決めてもらうわ」
「そうですか」
「ほなそういうことでな」
「宜しくお願いします」
「それでや」
 トウェインはさらに話した。
「この街に艦隊を置いてな」
「軍隊を駐留させますか」
「そうするわ、艦隊を駐留させてから港を拡充して」
「軍港をですか」
「もうけてな、陸軍の基地や空港もな」
 そうしたものもというのだ。
「建設してな」
「軍事拠点にされますか」
「そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「ホノルルからな」
「勢力を拡大されるのですか」
「いや、ここに確かな力を置いてな」
 軍事力というそれをというのだ。
「州全体に睨みを利かして法治もな」
「徹底させますか」
「力あっての法や」
 市長にこのことも言うのだった。 
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