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イベリス

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第百二十三話 甘いものその二

「そうしましょう」
「そういうことね」
「まあそうしたお話は置いておいて」
 それでというのだ。
「兎に角ね」
「交際してるとなのね」
「楽しいわよ、甘くてね」
「甘いのね」
「そう感じるものよ」
「それが恋なのね」
「そうなのよ」
「ううん、けれどね」
 咲は愛の話をここまで聞いてだった。
 思わず首を会傾げさせた、そのうえで彼女に問うた。
「何でそれで別れたの?」
「それぞれの彼氏と」
「中学高校のね、違う学校に行ってってのはわかったけれど」
「だからそこでよ」
 愛は咲にあっさりとした口調で答えた。
「中学の彼は大阪の学校に親御さんの転勤も兼ねてで」
「進学したの」
「それで高校時代の彼は北海道の大学に進学したし」
「どっちも遠くて」
「そう、会えなくなるから」
 だからだというのだ。
「もうそこでね」
「お別れしたの」
「どっちも最初は離れてもって思ったわ」
 その様にというのだ。
「私も相手の人達もね」
「それでもなの」
「けれどどっちの場合もお話して」
 そしてというのだ。
「その結果ね」
「別れたの」
「もうお互い卒業して」
 そしてというのだ。
「別々の学校に行くから」
「それを機会になの」
「別に結婚もしてないしね」
 このこともあってというのだ。
「私は常に東京にいるけれど」
「離れ離れになるから」
「それでよ」
 その為にというのだ。
「別れたのよ」
「そうなのね」
「まあ恋愛って続く場合もあれば」
「終わる場合もあるね」
「それぞれの事情でね、二人共今もメールでやり取りしていても」
 それでもというのだ。
「会うことはないでしょうしやり取り自体もね」
「それもなの」
「殆どしてないから」
 そうなったからだというのだ。
「もうね」
「自然消滅ね」
「そうなってるわ」
「そうなのね、ただね」
 ここで咲は愛にふと思ってその思ったことを言った。
「若しかして再会して」
「復縁とか?」
「ない?」
「もう終わったことだから」
 愛はあっさりとした口調で答えた。
「いいわ」
「そうなの」
「私終わった話はもうね」
「どうでもいいの」
「過去のことだから」
 それでというのだ。
「いいわ」
「そうなのね」
「それでそれぞれの彼氏さん達もね」
「そうした人達なの」
「さばさばしていて」
 そしてというのだ。 
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