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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 飛び立つ光

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シャルロット先生奮闘記!

幻想郷 人里

太陽も落ちて、月が天高く上り、月光が夜を照らす。人里も普段の賑やかさも消えて住居にも明かりは無く、皆は眠りについている。そんな子の刻(0時ごろ)ある建物から
光が漏れていた。そこには1人の少女が、書物を読みながら頭を抱えていた。

「え~っと・・・これはなんて読むんだっけ?え~っと・・・」

少女の名はシャルロット・デュノア。外来人で、今は人里で寺子屋の教師として
暮らしているのだが大きな問題を彼女は抱えていた。それは・・・

「え~!?これなんて読むの~!!?」

漢字である。日本人ではない彼女にとって漢字の読み書きに大苦戦しているのだ。
外界ではある程度の日本語は勉強していたのだが、教師として働く為に更に
多くの漢字を覚えたり読める事が必要となっている。

「うう・・・今更だけど、日本語って本当に難解だよ・・・」

シャルロットは、溜息を吐いてからしぶしぶ机に広げている書物に向かい合ったシャルロットが難解だと言うのも無理は無い。日本語は1,2を争うほど難しい言語だと言われている理由はいくつか存在する。

文字の種類が多い事。ひらがな、カタカナ、漢字と3種類の文字を全て使わないと普通の文章が書けないのは日本語ぐらいで、これらを覚えるのは外国語として覚える者
からしたらこれはかなり苦労する事である

言い回しの種類が多い。敬語など「自分と相手の立場によって」言葉を使い分けないといけない言語はそうそうない。

そして、日本人も苦労させられる事が多い漢字。様々な読み方や、予想もしない
文字の組み合わせこれにシャルロットも現在進行形で苦労しているのだ

シャルロットは、一日でも早く漢字などをマスターする為にラウラと共に早苗や閃輝などに日本語を教わっている、今シャルロットが行っているのは閃輝から渡された漢字練習張である。週に2回、シャルロットは閃輝から漢字テストを出される為、その勉強を含めて勉強をしている

「ああ!そっかそっか、そうやって読むんだ。結構使うのに解らない読み方も
あるもんだな~」

シャルロットは漸く漢字を解読する事が出来てとてもスッキリした様な顔をして
お茶を啜る。中々理解できなかった事を完全に理解出来た事がシャルロットにとっては強い嬉しさを感じるようだ。湯飲みを机を置いて、ちらりと閃輝から渡された時計を見ると
時間は午前1時を示していた

「もうこんな時間!?早く寝ないと明日寝坊しちゃう!また頭突きなんて食らいたくないもん!!」

そういってシャルロットは机の上に広げていた勉強道具を急いで片付けて、布団を敷いて布団に潜り込んだ。そして目を閉じて眠りに付いた。

そして・・・早朝、卯の刻(午前7時頃)

まだふとんの温もりに包まれて、すやすやと寝息を立てているシャルロット
だが、そろそろ起きなくては時間的に宜しくない。その時

「おうらぁ!」
「ひゃう!!?」

シャルロットが眠っていた布団が中に舞い、シャルロットも空中に身を放り投げられてシャルロットは床に叩きつけられた

「いった~い・・・」
「目が覚めたか?」

シャルロットが顔を上げて、周囲の様子を見ようとしていると目の前に閃輝が呆れたような顔をして仁王立ちしていた。

「ふぇ?閃輝?おはよう」
「おはようさん、もしやと思って買い物のついでに寄ってみたら案の定寝てやがるからな
こうやって文字道理叩き起こしてやったって訳だ。寝巻きから着替えて居間に来い。朝飯は作っといてやったよ。さっさとしねぇと遅刻するぜ、お前は教師なんだから早く行って準備する必要があるだろ」

そう言って、閃輝は今の方に歩いていく。シャルロットはそう言われて慌てて
時計を見るともう起きていないといけない時間で多い焦り、急いで慧音から
譲ってもらった服に着替えて、居間で慌しい朝食を取り、身支度を整えて寺子屋へ
走っていった。そんな様子を見た閃輝は

「やれやれ・・・飛んでいけばもっと速いのによ」

「お、遅くなりました・・・!」

シャルロットは肩で息をしながら寺子屋の職員室に到着した。
職員室といってもそこに居るのは教師である慧音とシャルロットのみ
慧音は肩で息をしているシャルロットを見て、苦笑いをした

「その様子だと、また寝坊したみたいな。まあ遅刻した訳ではないが
もう少し速く来るように勤めるように、子供たちに示しがつかんぞ」
「め、面目無い・・・」

シャルロットは荷物を机の上に置いて、椅子に座って息を整えてから荷物を
バックから出した

「今日の予定だがな、閃輝が久しぶりに1時限目をしてくれるそうだ。
だからシャルの授業は2時限目だな」
「そ、そうなんですか・・・?でも僕が家に居る時に・・・買い物に来たって・・・」
「だから1時限目なんだ、今日はどうやら掲示板を見る序に買い物に来たらしくてな
だから駄目元で頼んでみたのさ」
「そ、そうなんですか・・・」

シャルロットはなんだか力が抜けてしまい、椅子に凭れ掛る。
すると教室から子供達の楽しそうな声が聞こえる。閃輝が請負っている授業は算数
閃輝は普通の授業ではなく、子供たちが興味を示す様に、面白い話を織り交ぜ
問題も楽しいと思えるように動物などを登場させている。
その為、閃輝の授業は中々の人気を誇っている

「さ、算術って・・・なんで2時限目の国語の授業を請負ってくれないのさ~!?
僕が上手く教えられるの算術の授業だって知ってるはずなのに~!!」
「ああ、その事について閃輝から伝言だ
『寝坊した罰を含めて、上手く国語を教えてみろ』っだそうだ。自業自得だと思って諦めろ」
「そ、そんなぁ~」

そんな事を言われて落ち込んでいると、自分の授業の時間へとなっていた。
シャルロットは必要な教材を持って教室へ向かったが、その足取りは重かった。

「ははははっ!閃輝君らしいですねぇ」
「笑い事じゃないですよぉ!何とか上手く出来ましたけど大変だったんですからね!!?」

シャルロットはなんとか授業を終わらせて、教師の仕事を終わらせてから
覇狼の甘味処へとやってきていた。人生の大先輩である覇狼に一日何があったかを
話ながら甘いお菓子を食べる。それが最近シャルロットの日課となっている。

シャルロットはお気に入りのイチゴ大福を食べながら、溜息を漏らす

「やっぱり先生って大変ですよね。楽しいといえば楽しんですけど」
「まあ気持ちは解りますよ。子供達に色んな事を教えて、テストを作ったり苦労も多いでしょう。ですが」

覇狼は御代わりのイチゴ大福をシャルロットに差し出しながら言った

「教師だから感じられる感覚、楽しさ、教師だから見る事が出来る世界が
あるのではないのですか?」
「・・・」
「私も弟子を持っていましたからね、人に物事を教えるという楽しさは解っていますよ」
「そう、ですねよ。確かに楽しいんですよね、私も頑張ってみますよ」

シャルロットは笑って、答えた。覇狼は笑って湯飲みにお茶の御代わりを注いだ

「そうですか、ではまずは漢字の勉強しなくてはね」
「うっ!って忘れてた!!明日漢字のテストあったんだった!!60点以下取ったら宿題が倍増されちゃう~!!それじゃ御代は此処に置いていきますから!!大変だぁ~!!」

シャルロットは財布から代金を出して、荷物を持って自分の家に全力疾走して行った

「頑張りなさいシャルロットちゃん」

そして後日、シャルロットが酷く落ち込んだ顔をしながら漢字練習帳に取り組んでいた姿を慧音が目撃した 
 

 
後書き
シャルロットが慧音さんに譲ってもらったという服は慧音さんと、お揃いの服です 
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