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札幌の廃墟

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第二章

「廃墟にね」
「なるのね」
「対する東広島の方はね」
「賑やかになるのね」
「光と影になるわよ」
 澄香はこうも言った。
「絶対に」
「そこまでなのね」
「全く、何処まで馬鹿なのよ」
「ドームは」
「ええ、北海道も色々言われてるけれどね」
「行政でね」
「あのおかしな総理大臣の選挙区もあったし」
 澄香は実に嫌そうに話した。
「鳥みたいな名前の」
「あの人ね」
「何かと言われてるけれど」
「ドームの経営についても」
「どうにもで」
 それでというのだ。
「最悪な経営をね」
「やってるっていうのね」
「だから日本ハムに逃げられて」
「物凄いお金使って新球場まで建設して」
「そのうえでだから」
「日本ハムにそこまでさせる位酷いから」
「もうね」
 それこそというのだ。
「あの球場はね」
「お先真っ暗ね」
「それで私もね」
「札幌を出ようって」
「それで東広島に移ろうかって」
 その様にというのだ。
「かなり本気で考えてるわ」
「そうなのね、実際にそうするの」
「そうしようかしら」
 考えつつ言うのだった、それから暫く澄香は東広島市の物件を探しさえした、だがお金や通勤のことを考えてだ。
 あれこれ考えているうちに時間は過ぎた、日本ハムファイターズは東広島に移転したがそこでだった。
 ペナントがはじまった、すると。
 澄香は職場で友人に話した、膝までのタイトスカートの制服と黒いストッキングが似合っている。スタイルのよさが際立っている。
「引っ越すの止めたわ」
「札幌にいるの」
「そうすることにしたわ」
「そうなのね」
「マンションとか高いし」
 まずはそちらの話をした。
「今のマンション安いし住みやすいから」
「いいのね」
「職場に近いしスーパーもすぐそこで」
「お買いものも楽で」
「しかもあったかいから」
「札幌でそれって重要だかね」
「北海道だから」
 言うまでもなく寒い。
「それでね」
「色々考えてなのね」
「マンションのすぐ傍にコンビニもあるし」
「尚更なのね」
「ここから引っ越すのはね」
「得策でない」
「そう思ったから。応援はね」
 それを楽しむならというのだ。
「もうね」
「東広島に行って」
「そしてやればいいし」
「札幌に残るのね」
「そうするわ、お仕事の帰りにスーパーに寄って」
 そうしてというのだ。 
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