| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

クライマックスが終わって

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三章

「血は赤いけれど」
「お前の赤はか」
「カープの赤なのよ」
 その血の色はというのだ。
「そうなのよ」
「そういうことか」
「そうよ、だからね」
「阪神には転ばないか」
「絶対にね」
 強い声で断言した。
「阪神にも他のチームにもね」
「だから僕が嬉しくてもか」
「精々よ」
 やはり冷めた目で言う。
「頑張ってねってね」
「思うだけか」
「そして言うだけよ。逆にね」
「カープが優勝したらか」
「お兄ちゃんどうなのよ」
「そんなの決まってるだろ」 
 寿は妹に素っ気なく返した。
「精々頑張れ」
「そう思うだけよね」
「他にどう思うんだ、阪神じゃないから」
 まさにそれが理由であった。
「どうでもいいよ」
「そうよね、負けて悔しくて」
「リベンジを誓ってな」
「来年はね」
「それで終わりだよ、他にどう思うんだ」
「そういうことよ、だからね」
「精々頑張れか」
「もう私気持ちはオフとね」
 シーズンオフにというのだ。
「キャンプそれにね」
「来年か」
「それに向かってるわ」
「新井監督の下でか」
「来年は優勝するから」 
 こうも言うのだった。
「宜しくね」
「ああ、けれど僕はな」
「これからシリーズね」
「お前が精々と言ってもな」
「聞いてないでしょ」
「聞く筈ないだろ」 
 全くというのだった。
「どうでもな」
「いいのね」
「そうだ、だからな」
 それでというのだ。
「まずはシリーズに勝って」
「日本一ね」
「そうなるぞ、そういえば」
 ここでふとだった。
 寿はある忌々しいことこの上ない邪悪と背徳に満ちたチームのことを思い出して千佳に対して言った。
「巨人はどうしてるんだ」
「阿部監督誕生でしょ」
「それでどうしてるんだ」
「何かコーチ陣決めてね」
「無駄な努力にかかってるか」
「阿部さん評判よくないみたいね」
「昭和の野球だろ」
 寿は聞いている話をした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧