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X ーthe another storyー

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第四十話 憧憬その七

「本当に」
「そうですか」
「ですから」
「俺のこともですか」
「全力で」 
 それで以てというのだ。
「そうさせて頂きます」
「そうですか」
「貴方の考えは否定出来るものではないわ」
 庚も言うのだった。
「悪いことではね」
「ないですか」
「誰かをよく想って大切にすることはね」
「俺が神威や小鳥をそう思うことは」
「素晴らしいことよ、だからね」
 それでというのだ。
「これからもね」
「その様にですね」
「していきなさい」
「それでは」
「さて、皆お話を終えたわね」
 庚はそれが一段落したと区切りにかかった。
「では後は世間話でもしましょう」
「庚さんのお話は」
「私が話すことはないわ」
 哪吒の言葉にくすりと笑って応えた。
「別にね」
「そうですか」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「これでね」
「世間話にですか」
「入りましょう」
「いいですね、実はです」
 星史郎はその話を聞いて述べた。
「この前美味しい甘味屋さんを見付けまして」
「和菓子ですね」
「ええ、お汁粉が美味しいんですよ」
 遊人に笑顔で話した。
「そのお店は」
「お汁粉ですか」
「善哉も」
 こちらもというのだ。
「美味しいです」
「そうですか」
「ですから」 
 それでというのだ。
「機会をあらためて」
「その善哉やお汁粉を食べながら」
「そのうえで、です」
「お話してくれますか」
「はい」
 こう言うのだった。
「僕のお話は」
「ではその時に聞かせてもらうわね」
 庚も微笑んで言った。
「是非ね」
「それでは」
「ええ、ただね」
「それでもですか」
「そのお店のことが気になるわね」
 星史郎お気に入りの甘味屋がというのだ。
「やっぱり」
「本当に美味しいんですよ」
 星史郎は優しい笑顔で答えた、そこには一点の曇りもなく清々しさえあった。
「そのお店は」
「そうなのね」
「ですから」
「そこに皆で言って」
「楽しみながら」
 そのうえでというのだ。
「お話しましょう」
「それではね」
 こうした話をだった。
 地の龍達も行った、そのうえで談笑もしたがその夜だった。
 庚は夢の中で牙暁の訪問を受けた、そして彼に言われた。 
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