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スコットランド語は知らない

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第一章

                スコットランド語は知らない
 小学六年生の林田真治は去年までイギリスにいて英語に堪能であることが自慢である、日本語も英語もかなり自信がある。丸眼鏡をかけていてショートにした茶色がかった髪の毛と卵型の顔の中背の少年である。
 彼はクラスメイトにだ、よくこう言っていた。
「やっぱりどっちも喋れてかけて書けるとね」
「便利か」
「そうなんだな」
「ここだけの話あっちにもいやらしい本とかサイトとかあって」
 このことは小声で話した。
「そういうのもわかるしね」
「おいおい、それ言うか?」
「結構あれな話するな」
「これはまた」
「アメリカとか凄いから」
 そうしたサイトがというのだ。
「いいよ」
「それはいいな」
「やっぱり言葉違うとわからないからな」
「そういうのがわかるとな」
「いいよな」
「うん、だから英語がわかることが」 
 林田は笑って話した。
「有り難いよ」
「そうなんだな」
「ちょっと自慢なのが嫌だけれどな」
「そういうこと教えてくれるってな」
「お前いい奴だな」
「英語関係なら言ってよ」
 林田はクラスメイト達にこうも言った。
「野球でもサッカーでもわかるからね」
「じゃあちょっといい助っ人教えてくれよ」
「阪神にいい助っ人が来る様にな」
「紹介してくれよ」
「阪神のフロントからリクエストがあればね」
 クラスメイト達に笑って返した。
「それで巨人にはあの伝説のミセリさんを」
「ああ、あの助っ人か」
「あのクラスが行く様に紹介するか」
「そうするんだな」
「巨人は最下位でないといけないからね」
 このおぞましさと邪悪さでは全世界に比類のないチームはというのだ、林田は自慢していたが屈託も嫌味もなくクラスメイト達に英語の話をよくした。 
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