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ドリトル先生の落語

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第九幕その十一

「今は口語の文章になっているんだ」
「成程ね」
「漢字が変わったのは知ってるけれど」
「略体字にね」
「そうなっていたけれど」
「文章もなんだ」
「そうだよ、ラテン語はローマ時代のままだけれどね」 
 こちらの文章はというのです。
「こちらは欧州の言語の古典だからね」
「もう古典だよね」
「文字通りの」
「そうだよね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「また別だけれどね」
「あの言語はそうなのね」
「先生ラテン語も普通に喋られるけれど」
「あの言語は古典」
「そうした立場だね」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「僕達が今常に触れている日本語もね」
「そうよね」
「同じだね」
「昔と今で違う」
「そうだね」
「その違いはかなりのもので」
 日本語はというのです。
「学ぶにあたって難しいよ」
「先生よく言ってるね」
「今の文章と江戸時代までの文章は違うって」
「特に古文書は」
「読むのが難しいって」
「古文書の解読は専門スキルでね」
 そう言っていいものでというのです。
「難しいよ」
「今みたいに印刷がなくて」
「江戸時代まで公文書も手書きだったのよね」
「それで読むのが大変だね」
「日本の昔の文章は」
「しかもここでも文字が三つあることがね」 
 日本語の大きな特徴であるこのことがというのです。
「物凄く影響するんだ」
「ああ、漢字の解読だけじゃなんくて」
「平仮名と片仮名もあって」
「それでだね」
「物凄く難しいね」
「そうなんだ、しかも実はね」
 先生はさらに言いました。
「平仮名は今よりずっと多かったんだ」
「そうだったんだ」
「今は五十一字だけれど」
「もっとあったんだ」
「そうだったんだ」
「うん、二百位あって」
 それでというのです。
「明治維新の頃に教育しやすい様に整理されたんだ」
「それで五十になったんだね」
「平仮名も」
「そうだったのね」
「そうだよ、だから古文書の解読も難しくて」
 そしてというのです。 
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