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歩いて自転車に乗って

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第二章

「通勤でもね」
「歩いていたから」
「駅まで歩いて帰りもそうで駅でも」
「歩いていたから」
「一度測ったら一万歩以上歩いていたよ」
 そうだったというのだ。
「普通にね」
「そうだったのね」
「それが定年したら」
「通勤も外で歩くこともなくなるから」
「会社にいても結構動くし」 
 そうもするからだというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「敢えて」
 定年してからはというのだ。
「動く様にしているんだ」
「歩いて自転車に乗って」
「健康の為に」
「そういえば私もパート定年になってから」
 妻は妻で働いていたのだ。
「歩かなくなったわ」
「パートでも動くね」
「ええ」
 その通りだというのだった。
「色々ね」
「それが定年になったら」
「動かなくなるわね」
「定年になった時こそ意識して身体を動かす」
「お爺さんお婆さんになっても」
「余計にね、会社を定年した時に一緒に飲んだ先輩に言われて」 
 それでというのだ。
「やってるんだ」
「そうだったのね」
「だからこれからも」 
 夫は妻に話した。
「歩いてね」
「自転車に乗って」
「運動するよ」
「そうしていくのね」
「定年したから尚更ね」
 こう答えた、そしてだった。
 治五郎は意識して歩いて自転車に乗った、妻も散歩は一緒にして身体を動かしていった。そうするとだった。
 夫婦揃って定年してからも末永く健康でいられた、それで幸せに過ごせた。二人はこのことをよしと思った。


歩いて自転車に乗って   完


                  2023・10・16 
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