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舞い降りた天使

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第三章

「ワン!」
「ワンワン!」
「今度はそちらか!」
「今行きますよ!」
「待っていて下さい!」
 犬達が鳴いて顔を向けて駆け寄った場所にだった。
 急行し被災者達を助けていった、そうしていってだった。
 多くの被災者を救出していった、その人達を安全な場所まで誘導しそこで食事や毛布を提供してだった。
 落ち着いてもらうと共にさらに救助していった、その後で復興作業にもあたり復興が軌道に乗るとだった。
 駐屯地に戻った、それから暫くしてだった。
 震災の復興にあたった自衛官達にお礼の手紙やメールが届いた、その中には。
「ああ、あの時はな」
「犬達も活躍してくれましたからね」
「犬達へのお礼の手紙も来てますね」
「メールも」
「犬達の絵だってな」
 子供が描いたと思われるクレヨンのそれもあった、実松はその絵を見てそのうえで明るい笑顔になって言った。
「あるな」
「あの時の男の子ですかね」
「皆を助けてくれて有り難うって描いてますし
「タマもって白い猫も描いてますし」
「これは」
「そうだろうな、他にはな」
 子供達が描いたと思われる絵はまだあってそれ等を見るとだった。
「頭に輪と背中に羽根がある犬の絵もあるな」
「天使ですか」
「犬達は」
「そうですか」
「被災者の人達を助けてくれたからな」
 見付けることによってというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「天使に思ってくれてるんですね」
「犬達を」
「そうだろうな、そう思ってくれたらな」
 それならと言うのだった。
「犬達も喜んでくれるよ」
「全くですよね」
「我々も嬉しいですし」
「こうした手紙やメール貰って」
「それなら犬達もですよ」
「これが俺達の仕事でもな」
 被災した場所の救助や復興がというのだ。
「それでもな」
「嬉しいですね」
「多くの人が助かって」
「そのうえで感謝してもらったら」
「全くだ、災害なんて起こらないに越したことはないが」 
 それでもと言うのだった。
「起こった時はな」
「一人でも多くの人を助ける」
「そうしますね」
「我々は」
「犬達と一緒に」
「ああ、天使達ともな」 
 笑顔で言ってだった。
 実松は犬達に食事を与えに行った、彼を見ると食事とわかる犬達は尻尾を振って舌を出してとても嬉しそうに動いた。そうしてだった。
 彼が与えた食事を実際に美味しそうに食べた、実松もそんな彼等を見て笑顔になった。


舞い降りた天使   完


                        2023・2・11 
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