| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

『自身』

作者:零那
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

『醜い鶩』




其処には自分の勝手な
言い分しかなかった。
周りのことなんか
どうでも良かった。
他人なんか
どうでも良かった。
自分ですら消したくて
仕方ないのに。

こんなに辛いのに
こんなに我慢してるのに
こんなに苦しいのに
こんなに痛いのに

どうしてこんな思いしてまで
生きる必要があるのか

流れてく汚れた血を見ても
何も思わなくなった。
痛みさえ感じないのに
生身の人間かさえ疑わしい。

躰も心も何も感じない。
此処にはいろんな子が居るけど
白鳥は1羽だって居ない。
地名が憎らしいなんて嗤える。
此処は間違いなく醜い鶩の巣だ。


 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧