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ハワイの山火事から

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第二章

「ローマン、無事でよかったよ」
「ワンワン!」
「本当にどうなったか心配していたけれど」
「この子はあの時ドッグシーターの人に預けていたの」
 ブロンドで青い目で美形の妻のグレンダがヤマモトに語った、
「それが火事の時に逃げて」
「行方不明になったんですね」
「ドッグシーターの人に言われた時はどうなったか」
 こう言うのだった。
「心配だったけれど」
「こうしてですね」
「無事でよかったわ」
「今回の火事で皆大変ですよね」 
 ヤマモトは困った顔で言った。
「犠牲になった人も多くて」
「うん、人だけじゃなくてね」
「生きものもね」
「けれど一人でも一匹でも多く」
 ローマンを抱き締める夫婦に真剣な顔で話した。
「助かる、助けられたらいいですね」
「うん、そうだね」
「こんな状況でもね」
「そうなる様にしていきます」
 今度は決意を以て言った、そうしてだった。
 ローマンと夫婦を見送ると施設にいる火事に遭った生きもの達の手当てに入った、そうして一匹でも多くの命を救わんとするのだった。


ハワイの山火事から   完


                 2023・9・16 
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