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モデルの怖いもの

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第二章

「だからね」
「尚更なのね」
「お仕事がなくなることがね」
「怖いことね」
「そうよ」
 妹にゾンビ映画を観つつ話した。
「ゾンビは全然怖くないけれど」
「そうなのね、じゃあ私も言うわね」
「ええ、何が怖いの?」
「太ることよ」
 ノンカロリーのお茶ペットボトルのそれを飲みつつ答えた。
「わかるでしょ」
「モデルさんだから」
「やっぱり体型は維持しないとね」
「駄目よね」
「だから太らない様にね」
 その為にというのだ。
「いつも運動してお口にするものもね」
「考えてるのね」
「そうよ、もうこれはね」
「モデルさんならよね」
「皆怖いと思うわ」
 こう姉に話した。
「やっぱりね」
「そうよね、ただね」
「ただ?」
「何かこうしてお話したら」
 お互いにとだ、美穂は忍に言った。
「お仕事関係よね」
「お互い怖いのはね」
「そう思うと現実がね」
「それもお仕事のことがね」
「一番怖いわね」
「なるなることがね、太ったら」
 モデルがとだ、忍はその時のことを話した。
「お仕事来なくなるから」
「失業と一緒ね」
「そうね、お仕事があってこそ生きられるし」
「お仕事がなくなることが」
 これこそがというのだ。
「一番怖いわね」
「それこそゾンビよりもね」
「こんなの全然怖くないわね」
「そうね、観ていてもね」
 妹もそれはと姉に応えた。
「こうした映画幾らでも観てきたし」
「怖くないわね」
「ゾンビはね」
 姉妹で自宅のテレビでDVDの映画を観て話した、その間忍はノンカロリーのお茶を飲み続けた。お菓子は蒟蒻ゼリーでありそうしたことに気を付けているのは明らかだった。


モデルの怖いもの   完


                2023・9・15 
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