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仮面ライダー電王 約束の場所

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第十九章

「カブトもまた」
「あの時貴様等動きそれから俺の親父と加賀美陸がライダーシステムを開発した」
 三十六年前のことだ。
「まずは二つのホッパーが作られ」
 最初はそうだった。
「それがゼクトからもザビーからも離れざるを得なくなった矢車想に加賀美陸から矢車も気付かないうちに手渡された」
「まあそうだな」
「そう、この俺の手に」
 矢車が姿を現わした。良太郎の後ろからゆっくりと歩いて来る。その右手にはホッパーシステムがある。
「街を彷徨っていて目を覚ました時にあったのだがな。そういうことだったか」
「そして俺は兄貴からもう一つを受け取った」
 彼の横に影山が来た。二人は並ぶ。
「本来は二つで一つ。状況でパンチとキックを分けるものだったらしいが」
「しかし二人の手に渡った」
 天道はまた語る。
「それもまた因果か。そして」
「ドレイクは俺を選んだ」
 風間がカイ達の横アリーナの前に姿を現わした。
「風として生きる俺をな」
「ドレイクは風を選び、サソードは高貴を選んだのだ」
 天道の言葉が続く。
「己の所有者をな」
「そうだ。だから俺はサソードとなった」
 風間と反対側に神代がいた。
「全てにおいて高貴な俺を選んだのだ」
「ザビー。リーダーとなり後に開発された三つのシステムを統べる者」
「持ち主を選んできたが」
 良太郎達と向かい側にいたのが田所だった。後ろには黒崎、大和、織田が控えている。
「俺の手で落ち着いたようだな」
「そして我等はザビーと共にあり」
「ザビーと共に戦う」
「その為のライダーか」
「戦いの神ドレイク、そしてカブトが開発され」
「最後の切り札となった!」
 田所達のさらに後ろに加賀美が姿を現わす。
「スサノオと長きに渡る戦いを繰り広げるライダー達としてだ!」
「グロンギに対するクウガ、アギトという存在、神崎士郎を通じて見た人のライダーとしての戦い、オルフェノクと五つのベルト、バトルファイトを終わらせる為に戦う人とジョーカー」
 天道はこれまでの戦いを振り返っていた。
「全てはスサノオとの戦いだった。ワーム、ネイティブと俺達の戦いもまた」
「これまでの多くの戦いはつながっていたんだ」
「そうだ、俺達の戦いも!」
「侑斗!」
「野上、ここでカイと牙王を倒すぞ!」
 桜井は良太郎の横にいた。今ここに全てのライダー達が集結したのだった。
「俺達の戦いの一つの終止符の為にだ!」
「うん、カイであるスサノオを倒して」
「この時間での戦いを終わらせる!行くぞカイ!」
 二人は同時にベルトとカードを取り出した。今まさに変身しようとしている。だがカイにも牙王にもそれに対するリアクションはなかった。
「やるつもりか」
「ライダー全員で」
 牙王もカイも平然としていた。動くことすらない。
「どうする?ここで始末をつけるか」
「何か面白くなくなったな」
 カイは軽くこう述べた。
「ここじゃ何だか」
「場所を変えるか」
「予定は変わったけれどいいか」
 軽い言葉が続く。
「場所は」
「三十六年前だな」
「ああ、そこに行けばいい」
「三十六年前!?」
「まさかこいつ!」
 良太郎と桜井は今の二人の言葉を聞いてすぐに悟った。
「この二人まさか」
「三十六年前に行くつもりか!」
「ああ、そこで待っているぞ」
 牙王が笑いながらその二人に対して言ってきた。
「来たければ来い」
「くっ、待て!」
 桜井がまず二人を追おうとする。
「行かせるか!ここで御前等を」
 ベルトを取り出す。それでゼロノスに変身しようとする。
「野上、行くぞ!」
「いや、待って」
 だが良太郎はここでその桜井を止めるのだった。
「僕達も行こう、三十六年前に」
「おい、どうしてだよ」
 これは桜井にはわからなかった。怒る目で良太郎に問う。
「ここで奴等を倒しておかないと過去で何されるかわからねえぞ」
「そうだよ、野上」
 デネブも良太郎に対して言う。
 
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