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X ーthe another storyー

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第三十三話 初戦その六

「五人でね」
「戦うんですね」
「貴方達も五人でね」
「それじゃあ」
「戦いましょう」
「はい、今から」
「昴流君、また会いましたね」
 星史郎は昴流に優しく笑って声をかけた。
「僕と会いたかったですね」
「はい」
 昴流は毅然として答えた。
「そうでした」
「そうですね」
「では星史郎さん、貴方は」
「どうでしょうか」
 そこは言わないのだった。
「果たして」
「言われないのですね」
「僕は嘘吐きですからね」 
 それでというのだ。
「ですから」
「そうですか」
「それではです」
 あらためてだ、星史郎は昴流に告げた。
「はいめましょうか」
「わかりました」
 昴流も頷いて応えた、そうしてだった。
 天の龍達と地の龍達は戦いに入った、宙を舞い腕を振るって力を放つ。征一狼が風を放てばだった。
 遊人は水を放って相殺する、そしてお互い着地してから話した。
「お見事です」
「貴方も」
 征一狼も遊人も笑みを浮かべて言い合った。
「そう言わせて頂きます」
「そうですか、しかし」
「まだこれからですね」
「お互いそうですね」
 言葉を交えさせてまただった。
 二人は力を出し合った、そうして闘うのだった。
 火煉は火を放った、複数の火の玉を哪吒に放ち。
 哪吒がそれを交わしたのを見てだ、笑みを浮かべた。
「どうやらそう簡単にはね」
「死にそうにない、ですか」
「そうね。私も出来る限りね」
「僕を殺したくはないですか」
「敵であっても憎くはないし」
 火煉はさらに話した。
「私の力は護る為のものよ」
「殺す為のものじゃないですか」
「そうよ」
 哪吒が放った光を空中で左に動いてかわしてから答えた。
「だから戦ってもね」
「殺したくないですか」
「ええ、誰もね」
「護る為の力」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「私の力はね」
「力はですか」
「私はそう考えているわ」
「僕は」
 哪吒はその言葉を聞いて言った。
「一体」
「自分で考えればいいわ」  
 哪吒の疑問に答える様に言った。
「それは」
「そうですか」
「聞いてもいいし」
「では貴女に聞いても」
「敵だけれど言っておくわ」
 激しい応酬の中で告げた。
「今言った通りよ」
「護る為のものですか」
「誰かをね」
「なら僕の護りたいものは」
「何かしら」
「それは」
「答えが出たらその為に戦うのよ」 
 その護りたいものの為にというのだ。 
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