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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第四百十七話 戦いの先に待っていたもの その1

第四百十七話 戦いの先に待っていたもの その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

裏切り者である石川ユニの密告により、ケーサツとジエータイがヴァサマ山を包囲、進軍を開始した。
偵察隊から進軍の知らせを聞いた紅軍連合のリーダー、倉都テツオは約50人のメンバーを五つに分けて、それぞれ別のルートで逃走を開始せよと、皆に命令する。
正面から大軍を相手にすれば、約50人しかいない紅軍連合に勝ち目はない。
しかし、部隊を五つに分ければ、敵も大軍を五つに分けるしかない。
そう、部隊を五つに分ければ、それだけ紅軍連合も戦いやすくなるのだ。
こうして、紅軍連合は五つの部隊に別れて、ナガヌォベースから撤退、逃走を開始した。
五つの内の一つの部隊の、部隊長を任された能沢エーイチロウは9人の仲間と共に、追手のケーサツ官とジエータイ員達と銃撃戦を開始。
結果、エーイチロウの部隊は3人の仲間を失うものの、追手の部隊を全滅させることができた。
そう、紅軍連合を五つの部隊に分けることで、敵も五つに別れ、その数は少なくなっていたのだ。
まさに、倉都テツオが発案した部隊を五つに分ける作戦が功を奏したのだ。
追手を全滅させたエーイチロウの部隊は隣の山を目指して、逃走を続ける。
夜闇に包まれた山中を、懐中電灯の光を頼りに歩き続けるエーイチロウの部隊。
夜闇に包まれた山中は、言うまでもなく、危険である。
そう、山中が夜闇に包まれていれば、敵も紅軍連合が撤退を続けているとは想定していないはずだ。
しかし、エーイチロウはその敵の思考を逆手にとって、あえて夜闇の中を危険を承知で逃走を続ける。
逃走中、日加リュージがエーイチロウに質問する。
「おい、エーイチロウ、まさか朝まで歩き続けるつもりじゃないよな?」
「そうだな、今、何時だ?」
「深夜2時だ」
「じゃあ、ここは、もう隣の山かもしれないな。向こうの川でちょっと休憩しよう」
エーイチロウの部隊は山中の川の近くで逃走中の足を一旦、止める。
エーイチロウ以外の6人のメンバーの口から安堵のため息が出る。
各メンバーは交代制で仮眠をとる。
メンバーが寝ている間、起きているメンバーは周囲の監視をしている。
仮眠から目を覚ました理由地エルが突然、弱音を吐く。
「ふぁあああああッ‼どうして、こんなことになっちゃったんだよ‼僕たちはこのまま一生、山を歩いてケーサツとジエータイから逃げ続けて、それで捕まったら死刑確実だ‼僕はもうこんな人生嫌だ‼でも死にたくない‼でもケーサツに捕まったら、きっと死刑になるんだ‼でもでも、このまま山を歩き続けるのも嫌だ‼もう疲れた‼普通の日常に戻りたい‼僕はどうすればいいんだぁッ‼ゔあああああああああああああああッ‼」
どこにも逃げる場所がない、先の見えない不安に、頭がおかしくなってしまった理由地エル。
しかし、理由地エルのその魂の叫びは、今、逃走を続けているメンバー全員が抱いている不安そのものでもあった。
そういう意味では、理由地エルの反応は正常と言えるのかもしれない。
部隊の隊長であるエーイチロウが覚悟を決めて、理由地エルに告げる。
「理由地エル...どうしてもこの現状に耐えられないのなら、俺がお前を今すぐ楽にしてやる...他のメンバーもそうだ、この先の戦い、生きる意志と革命への志のない者はただの足手まといだ、作戦に支障がきたす前に、俺が楽にしてやる...」
戦う意思がないものは殺してやる。
それがエーイチロウのメンバーに対する警告であり、優しさだった。
エーイチロウのその言葉に、心が折れそうになっていた理由地エルや他のメンバーは正気を取り戻す。
そう、エーイチロウの言葉に、一人一人がなぜ、紅軍連合に参加したのか、なぜ命を賭けて日本を変えようと決意したのか、もう一度、考えさせられたのだ。
エーイチロウが理由地エルにもう一度、警告する。
「理由地エル...お前の中には今、生きる覚悟と死ぬ覚悟、どっちの覚悟があるんだ?」
「ぼ、僕は死にたくない...そうだ‼僕は日本から性差別を無くすんだ‼そのためには、まだ死ねない‼死にたくない‼」
他のメンバー達もそれぞれの目的をもう一度、再確認して、己を鼓舞する。
「そうだぁッ‼俺はこの国からグァイジを一人残らず殲滅するために、まだ死ねないんだ‼ゔおおおおッ‼」
黒かった空も徐々に青くなりつつある。
それは新しい日の始まりを意味していた。
そう、何もしなくても時は進み続ける。
そう、何もしなくても人から時間は失われ続けるのだ。
だからこそ、歩みを止めてはならない。
己の信念をつらぬき、それを世界に証明するまで、歩みを止めてはならない。
全員が仮眠をとり終えたエーイチロウの部隊は、再び逃走を開始した。

次回予告  戦いの先に待っていたもの その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 
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