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脚本あるのか

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第三章

「幾ら何でもな」
「そう思うとな」
「有り得るな」
「ああ、脚本だってこともな」
「有り得るよな」
「流石に何十年も言われてわからないとかな」
「自分がおかしいと思うことすらないなんてな」
 その説に頷く者も出て来た、だが。
 テレビを観ている限りではだった。
「また言ってるぞ」
「相変わらず出鱈目言ってるな」
「それで周りから一斉に論破されてるぞ」
「証拠も出されて」
「それでフルボッコにされてるぜ」
「本当に馬鹿だな」
「これで学者だからな」
 こうした話をしてだった。
 そのうえで彼女を観た、テレビの彼女は相変わらずだった。何があっても全く変わらなかった。それで思う者は思うのだった。
「やっぱりな」
「実際は違うんじゃないか?」
「脚本ないか?」
「こいつプロレスで言うならヒールじゃないか?」
「そのポジションじゃないか?」
「ひょっとしてな」
 こうした話をした、そのうえで彼女を観るのだった。
 だがある者はユーチューブでシャンソンを聴こうと思って検索し。
 大島が出てだ、絶叫してユーチューブを閉じて友人に言った。
「シャンソンに興味があってな」
「つべで聴こうと思ったらか」
「あいつが出て来てな」
 大島がというのだ。
「一瞬でな」
「つべ閉じたか」
「あいつの顔観たらな」
 それだけでというのだ。
「嫌になったよ」
「あいつシャンソン歌ってたんだな」
「みたいだな、いや本当に観たくなかったよ」
「お前あいつ嫌いだしな」
「大嫌いだよ、討論番組で倒されてな」
 そうなってというのだ。
「ざま見ろって思うけれどな」
「シャンソンとかで出るとか」
「うわ、だよ」
「何かプロレスの悪役みたいだな」
「そうだな、言われてみたらな」
 彼も否定しなかった。
「やられてざま見ろって思ってな」
「普通に出て来たらうわ、ってなるってな」
「本当にプロレスの悪役だな」
「そんな奴だな」
 少なくとも大島はそうしたポジションになっていた、そのことは事実であった。


脚本あるのか   完


                 2023・2・13 
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