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ドリトル先生の落語

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第二幕その十一

「歌舞伎だってずっと残ってるし浄瑠璃もだしね」
「ううん、江戸時代からの文化も残ってるね」
「何かと」
「日本って国は」
「そうなってるね」
「このことも驚くべきことで」
 それでというのです。
「僕としてもね」
「びっくりだね」
「もう何といっても」
「今も生きているということに」
「創作されていっていることに」
「しかも面白いから」
 実際に観てというのです。
「尚更ね」
「凄いよね」
「全く以て日本は凄い国ね」
「文化的にもね」
「だから学びがいもあるよ」
 先生は学者さんとしても言いました。
「何かとね」
「そう思うと先生学校に来てよかったね」
「本当にそうだよね」
「学びがいのある国だから」
「尚更ね」
「そう思うよ、ただ日本語はね」 
 言語のことは少し苦笑いになりました。
「僕は幸い言語は得意だけれど」
「そうそう、無茶苦茶難しいよ」
「文法が他の多くの国のものと全く違うし」
「単語ごとに分かれてないし」
「しかも文字三つもあって」
「新しい言葉も次々に出て来るしね」
「尚且つ方言もそれぞれかなり違うからね」 
 このことについても言う先生でした。
「全く以てね」
「独特過ぎるよね」
「そして難しいよね」
「難しいにも程がある」
「そんな言語だよね」
「そう思うよ」 
 心から言う先生でした。
「バスク語も難しいけれど」
「日本語もだよね」
「相当だよね」
「というか日本語の方が難しい?」
「ひょっとして」
「そうかもね」
「そう思うよ」
 先生も否定せず答えました。
「そして落語はね」
「その日本語でね」
「それでやるからね」
「時には難しい場合もあるよね」
「日本人でもそうかな」
「そうみたいだよ」 
 先生はまた答えました。
「昔の言葉とかね」
「知らなかったりするしね」
「そういえば昔の日本語って今より文字多かったんだ」
「それもかなり」
「二百位あったんじゃなかったかしら」
「明治維新で整理されるよりは」
「そうだったしね」
 このこともあってというのです。
「昔の日本語はね」
「今から見ると」
「かなり難しいね」
「どうにも」
「そのこともあるし」
「日本人が聞いても」
「落語は難しい時があるね」
「そう思うよ」
 実際にというのです。
「僕もね」
「やっぱりそうだね」
「日本語は難しいから」
「日本人にしてもね」
「困る時があるね」
「落語にしてもね、落語家の人も」
 お話する人達もというのです。
「相当にね」
「勉強してるね」
「日本語についても」
「それでお話してるのね」
「寄席で」
「そうだよ、本気で落語をしたいなら」
 それならというのです。
「もうね」
「ネタを勉強して」
「文化とかも」
「それで日本語自体も勉強する」
「そうしないと駄目なんだね」
「そうなんだ、奥が深くて楽しくて難しい」
 先生はこうも言いました。
「それがだよ」
「落語だね」
「そうなんだね」
「そして漫才もだね」
「ひいては」
「そうだよ、お笑いは真剣にしたら」 
 それならというのです。
「本当にね」
「真剣に勉強してするもので」
「奥が深い」
「そして楽しく難しい」
「そうしたものだね」
「そうだよ、ではこの寄席を観に行こう」
 大学の落語研究会のそれをとです、先生は笑顔で言いました。
「そうしようね」
「うん、是非ね」
「どんなのか観よう」
「そして笑おうね」
「皆でね」 
 今から笑顔で言う先生でした、そして実際に寄せを観に行くのでした。
 
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