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X ーthe another storyー

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第三十一話 墓参その十三

「ご一緒に召し上がるのは」
「今はね」
「私達で、ですね」
「食べましょう」
「そうしましょう」
 こう話してだった。
 神威達は征一狼と火煉を見送ってから夕食に入った、メニューは神威が言った通りに鍋でうどんすきだった。
 そのうどんを見てだ、空汰は笑って言った。
「これやこれ」
「うどんか」
「そや、うどんは身体があったまってや」
 空汰はそのうどんを見つつ隣にいる神威に笑って話した。
「しかも美味いからな」
「好きか」
「関西いうたらこれやろ」
「そうなのか」
「そや、うどんかそばかいうたらな」
 それならというのだ。
「やっぱりや」
「関西か」
「そや、それでや」
 空汰はさらに話した。
「うどんすきはな」
「お前も好きなんだな」
「うどんだけでも嬉しいのに」
 神威に料理を見ただけで上機嫌になって話した。
「鶏肉やお野菜まで入ってな」
「栄養もあるか」
「そしてあったまるさかいな」  
 だからだというのだ。
「ほんまや」
「うどんすきは好きか」
「小鳥ちゃんやってくれるわ」
「いえ、そんな」
 小鳥は空汰の言葉に気恥ずかしそうに応えた。
「私はただ普通に」
「作っただけかいな」
「神威ちゃんに皆さんが楽しく美味しく食べられる様に」
 その様にというのだ。
「考えて作っただけでして」
「それがええねん」 
 空汰はそう言う小鳥に笑って返した。
「そうしたこと考えて作ることがな」
「そうなんですね」
「それでな」 
 空汰はさらに話した。
「今から皆でな」
「うどんすきをですね」
「いただこうな」
「そうね、そういえばおうどんなら」
 嵐もうどんすきを見て話した。
「伊勢うどんがあるわね」
「あの太い麺と真っ黒いおつゆのおうどんだね」
 昴流は嵐のその言葉を受けて彼女に顔を向けて言った。
「そうだね」
「はい、あのおうどんが」
「伊勢では名物だからね」
「私も食べました」
「伊勢の門前町でもあるしね」
「あちらにも出て」
 そうもしてというのだ。
「よく食べました」
「それで今思い出したんだね」
「ふと」
「伊勢うどんってどんなのですか?」 
 護刃はその食べものの名前を聞いて怪訝な顔になって尋ねた。
「太い麺と真っ黒いおつゆって」
「詳しいことをお話していいかしら」
「お願いします」
 嵐の言葉にも応えた。 
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