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犬の気持ちをわかるには

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第二章

「犬の気持ちもな」
「そうして理解してね」
「やっていかないとな」
「人間と犬でもよ」
 生きものの種類の違いはあってもというのだ。
「ちゃんとね」
「理解出来るよな」
「そうよ」
 絶対にというのだ。
「勉強すればね」
「本当にそうだよな」
「じゃあね」
「ああ、俺もな」
 母に強い声で約束した。
「ふわりの気持ちをな」
「理解していくわね」
「それにふわりってな」
 洋介はさらに言った。
「わかりやすいよな」
「目と尻尾にすぐに出るでしょ」
「気持ちがな」
「そうしたものを見てよ」
 そうしてとだ、母は息子に話した。
「ちゃんとね」
「こっちもだよな」
「接していくことよ」
「そうだよな」
「そうしていけばね」
「ふわりも幸せになれるな」
「そして私達もよ」
 自分達もというのだ。
「そのふわりを見てね」
「幸せになれるな」
「お互いにね」
「そうだよな、じゃあこれからもふわりをよく見ていくな」
 その気持ちをとだ、洋介は笑顔で応えた。
 そしてそのままふわりを見ていると。
「クゥン」
「どうしたんだ?」
 洋介は自分の顔を向けて鳴いたふわりに応えた。
「ご飯か?」
「クゥン」
 ふわりがここで見たのは水が入った皿だった、洋介はそれでわかった。
「ああ、水入れるな」
「ワンッ」
 ふわりは洋介に鳴いて応えた、そしてだった。
 彼が水を入れるとすぐに勢いよく飲みはじめた、その時尻尾を嬉しそうに振っていたのを見てだった。
 洋介はふわりの気持ちがわかったと思った、そうして自分も食事を摂って仕事に行くまでくつろぐのだった。


犬の気持ちをわかるには   完


                    2023・8・24 
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