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ドリトル先生の落語

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第一幕その九

「本当にね」
「時代劇とかやっていて」
「けれど今はね」
「ああした番組ばかりですね」
「クイズ番組でもね」
「何か視聴者の人が出なくて」
 それでというのです。
「全くですね」
「適当な感じだね」
「そうですね」
「歌番組も減ってね」
「そんな適当なバラエティばかりで」
「内容が面白いならいいけれど」
 それでもというのです。
「その内容がね」
「あの通りで」
「それでネットの方が面白いなら」
 それならというのです。
「皆だよ」
「ネットの方に流れますね」
「そうなるよ、こんな状況が続くなら」
「もうテレビはですね」
「完全に駄目になるよ」
「お笑いだけじゃなくて」
「他のことでもね」
 そうなるというのです。
「僕も観たくないしね」
「僕もですね」 
 こうしたお話をしながらです。
 先生はトミーと一緒に今朝はサラダを楽しみました。そして登校してこの日は井原西鶴さんの本を読んでいましたが。
 先生は読みながらです、唸って言いました。
「いや、面白いね」
「西鶴さんの本はだね」
「大坂の人情を書いていて」
「ユーモアもあって」
「そうなのね」
「うん、大坂は町人の町だったから」
 それでというのです。
「文学もね」
「町人のもので」
「面白いんだね」
「武士の人達のそれみたいに堅苦しくなくて」
「言うなら庶民的なんだ」
「この頃からお笑いの要素はあったかな」
 大阪にはというのです。
「町人の町だった頃からね」
「そういえば織田作さんもだったわ」 
 ダブダブはこの人のことを思い出しました。
「お笑いも書いていたわ」
「大阪の人達の人情を書いてね」
 ポリネシアも言います。
「放浪したりもして」
「面白い作品もあるね」 
 トートーも言いました。
「ユーモアのある」
「浄瑠璃のお話もあって」
「忍者も書いて」
 チープサイドの家族は織田作さんのそうした作品のお話をしていきます。
「そしてユーモアもある」
「そんな風でね」
「織田作さんもそうでね」
「西鶴さんもなんだね」 
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「そうなんだね」
「お笑いもあるんだね」
「純文学ってお笑いの感じないけれど」
 ホワイティはオソツオサレツの背中から言いました。
「織田作さんは違うんだね」
「むしろ純文学にお笑いを求めるなっていうのもね」 
 それもと言うガブガブでした。
「違うかな」
「笑って楽しんでもいいよね」
 チーチーも言います。
「そうしても」
「読むなら何かを得られるべきで」 
 ジップはとチーチーに続きました。
「そこにお笑いがあってもいいね」
「それじゃあ織田作さんの作品もいいよ」
 老馬は言い切りました。 
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