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父がくれるお小遣い

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第二章

「好きに使えばいいよ」
「けれどお母さんは」
「お父さんのお小遣いはそうしていいからね」
 笑顔で言うのだった。
「賭けるのは駄目だけれど」
「お父さんのお小遣いはなんだ」
「忠家の好きに使うんだよ」
「そう言うなら」
 忠家は父の小遣いを受け取って彼の使いたい方に使っていった、だが妻はそんな夫を見て彼に言うのだった。
「あのね、好きに使えばいいはね」
「駄目かな」
「だからお金はね」 
 これはというのだ。
「無駄遣いはね」
「駄目っていうんだ」
「そうよ、好きに使っていたら」
 そうしていると、というのだ。
「すぐによ」
「なくなるから」
「それで最悪借金してでもとか思ったら」
「駄目かな」
「そう、無駄使いは駄目なのよ」 
 あくまでこう言うのだった、夫にも。
 だが忠家は見ているとだった。
 母から貰った小遣いは無駄遣いせず基本貯金し父から貰ったそちらは好きに使う様になった。父は息子のその金の使い方を見て言った。
「お母さんのお金は無駄遣いしないんだ」
「うん、無駄遣いしたら駄目ってお金はそうして」
 そしてとだ、息子は答えた。
「使っていいお金はね」
「使うんだ」
「貯金して使って」
 貰ったお小遣いをそれぞれ分けてというのだ。
「やっていってるよ」
「そうなんだ」
「駄目かな」
「いや、好きに使えって言ったのはお父さんだからね」 
 それでとだ、父はそれ以上は言わなかった。
 だが妻にこのことを話すと彼女は驚いて言った。
「子供も考えるっていうか」
「そう認識するのかな」
「使ったら駄目なお金とね」
「使っていいお金を分けるんだね」
「そうね、けれどそれはそれでね」
 妻は考える顔で述べた。
「いいかしらね」
「無駄遣いしないし」
「貯金もしてるならね、じゃあこのままね」
 夫に考える顔のまま言った。
「私は無駄遣いするなって言って」
「僕は好きに使えばいいって言うね」
「使って駄目なお金と使っていいお金がわかるのも大事だし」
 どのお金も同じではないとだ。
「じゃあこのままで」
「やっていこうか」
「お小遣いはね」
 こう言って夫婦でそのままでいった、すると。
 忠家は貯金と消費を弁え仕事でもお金の使い方が上手になった、それが両親のお小遣いのあげ方によるものだと彼は大人になって言っていた。その話を聞いて両親もあれでよかったのだと思い笑顔になった。


父がくれるお小遣い   完


                  2023・8・21 
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