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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第三百九十八話 奪還 その5

第三百九十八話 奪還 その5
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

ついに、AZUMA山荘の地面に埋めた武器の奪還作戦が始まった。
AZUMA山荘はアズマ山に建てた紅軍連合のアジトである。
現在、アズマ山はケーサツとジエータイに包囲されている。
奴らは俺たちが、アズマ山に戻ってくることを計算して、アズマ山を包囲しているのである。
つまり、武器奪還のために、正面からアズマ山に登りに行けば、そこでケーサツやジエータイに捕らえられてしまうのだ。
その難点を克服するために、紅軍連合のリーダーである倉都テツオ率いる俺たちの班は、アズマ山の隣にあるミムラ山から直接、アズマ山に侵入する作戦を実行する。
しかし、ケーサツやジエータイもバカではない。
普通の登山コースでミムラ山を登れば、ほぼ間違いなくそこで待ち構えているケーサツやジエータイに逮捕されてしまうだろう。
そこで、俺たちの班は、あえて足場の悪いミムラ山の山頂付近を歩いて、アズマ山に侵入することにした。
そう、足場が悪いポイントであれば、ケーサツやジエータイの監視対象にはなっていないはずだ。
つまり、俺たちが今、歩いているコースは本来、登山用に使用してはいけないコース、非常に危険なコースなのだ。
つまり、ケーサツやジエータイもバカではないので、その危険な登山コースを人間が歩いていることを想定していないということだ。
俺たち9人は休憩を終えると、危険な登山を再会させた。
全てはAZUMA山荘付近の土に埋めた、大量の武器を奪還するためだ。
登山を開始してからすでに3時間を経過した、空気の薄いミムラ山頂付近から、直接、アズマ山への侵入に成功した俺たち9人。
しかし、まだ早朝、別の潜伏先に住んでいる信重フサカの命令では、作戦実行は夜の10時となっていた。
その理由として夜のほうが、圧倒的人数不足の紅軍連合にとって色々と都合がいいからだ。
しかし、夜になれば、当然、視界が悪い、つまり敵が不利になれば、俺たちも不利になるはずだ。
夜間での戦闘は、撤退の際には便利だが、銃で相手を狙う際には、やはり周囲が暗いと色々不便である。
俺は倉都テツオに提案する。
「このまま、夜までここで待っていると逆に、ケーサツやジエータイに怪しまれる、このまま9人で武器の回収にいこう」
「ダメだ、お前の言っていることは正しいが、9人といえど、その内の5人は実戦未経験者だ、ほとんど戦力として数えることはできん」
「じゃあ、このまま、夜になるまで待つのか?」
「いや、近くで休憩できそうな場所を見つけ次第、交代制でAZUMA山荘の偵察に向かう、まずAZUMA山荘にどれぐらいの敵がいるのか、そこは見極めないと、なにもできん」
「じゃあ、AZUMA山荘にいる敵の人数を配置の分析が、完了すればすぐにAZUMA山荘に武器を取り返しに行けるんだな」
「ああ、だがAZUMA山荘の周囲がどうなっているのかわからん、今の時点ではなんとも言えん、とりあえず待機ポイントを見つけて、登山での疲労を回復しつつ、AZUMA山荘の偵察だ」
「了解した、では、まず俺が偵察に行く、他に誰かついてきてくれると助かる」
エーイチロウの提案に、後に『加藤無双』と呼ばれる事件を起こす、加藤モトヒロが挙手をする。
「お、俺がついていきます!早く、実戦に慣れたいんです!」
「わかった、俺についてこい」
俺は加藤モトヒロと共に、休憩ポイントからAZUMA山荘へと移動を開始する。
途中クマに遭遇することなく、俺と加藤はAZUMA山荘から10メートル程離れた崖にたどり着く。
崖からAZUMA山荘の様子が見える。
「まいったな...これは」
AZUMA山荘はすでに、数人のジエータイ員に占拠されていた。
山荘の外部には武装をしたジエータイ員が数人。
この様子だと内部もジエータイ員に占拠されている可能性が高い。
加藤モトヒロが困惑する。
「この状態じゃあ、土の中に隠した武器を回収するにはジエータイ員を全滅させるしかありませんね...」
「やつらは俺たちがここに戻ってくることがわかっていて、ここを占拠したんだろうな」「大変ですねぇ、ジエータイも、俺たちみたいなテロリストを捕まえるために、上の命令で山暮らしをしないといけないんですから」
「ああ、だからこそ、怖い、奴らは俺たちを全員捕まえるか、殺すかしないと、家に帰れないんだからな」
「どうします、このまま偵察を続けても、AZUMA山荘の警備が薄くなるとは限りません、外部の警備は他のジエータイの部隊が担当していることでしょうし...」
不安を吐露する加藤を尻目に、俺は近くに落ちていた太い木の枝を拾って、リュックから出したチャッカマンで火をつける。
太い木の枝の先に炎が燃えている。
つまり、『たいまつ』である。
「エーイチロウさん、いったい何をするつもりですか?」
「お前は急いで、休憩中の7人と一緒に、この山から撤退するんだ」
「わ、わかりました、でもいったい何をするつもりなんですか?あとで倉都さんに怒られますよ‼」
俺は加藤の忠告を無視して、崖から離れる、そして先程いた休憩ポイントには戻らず、そのままAZUMA山荘へと向かって走る。
AZUMA山荘に突如出現した、俺の姿に、一斉に警備を担当していたジエータイ員どもが銃口を向けてくる。
「貴様ァ!何者だァ‼」
俺は変装用にかぶっていたカツラを取る。
ジエータイ員達から一斉に、驚く声が上がる。
「お、お前は、指名手配中の能沢エーイチロウ‼」
「本当だ...あのBEI軍殺しの能沢エーイチロウだ‼」
「能沢エーイチロウ‼ここに何をしに来た!自首するなら今すぐ両手を上にあげろ‼」
俺はジエータイ員どもに忠告する。
「お前たちは俺が手に持っているコレを見て、まだ何も気づかないのか?」
俺は先端に火が点いた状態の太い木の枝を、ジエータイ員どもに突き出す。
「たいまつがいったい何だって言うんだ‼早く両手を上げろ‼」
他の隊員があることに気付く。
「おい、ちょっと待てよ、早朝なのになんで、たいまつなんて持ってんだ?ああ、そういうことか!」
「そっちのジエータイ員は頭がいいな、そうさ、今すぐ、お前たちがAZUMA山荘から撤退しないのであれば、俺はこのアズマ山に火をつける‼そう山火事を起こされたくなかったら、とっととここから出ていけ‼」
「お、お前!山を人質にするのか‼山火事が起きれば、俺たちだけじゃない、お前だって死ぬかもしれないんだぞ‼」
「だったら、なんだ。俺が死んでも、土に埋めた武器が無事ならそれでいい、俺が死んだ後に仲間が武器を回収すればいいだけのことだ」
「武器?武器だと!いったいどこに埋めたんだ‼おい、お前、はやく、みんなにこの情報を無線で伝えるんだ‼」
「そんなことしていいのか?ここに増援を呼んだら、全員、俺が起こした山火事の犠牲者になるかもしれないぜ?」
「そ、それがどうした!増援がもうすぐここに到着する!それに!」
「スナイパーが俺を狙っている、そうだろ?」
俺はAZUMA山荘に向かって、火の点いたたいまつを投げる。
炎に包まれるAZUMA山荘。
「や、野郎!やりやがった‼」
能沢エーイチロウが悪魔のような微笑みを浮かべながらジエータイ員達に告げる。
「さぁ!パーティーの始まりだァッ‼」
山火事が始まった。

次回予告 奪還 その6

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 
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