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夢幻水滸伝

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第三百九話 頭を潰せその二

「一気にな」
「そうしますか」
「ゲリラ戦術を仕掛けてくるアンデットやモンスターに気を取られんでや」
「敵の頭を潰すとは」
「そや、街をな」
 敵の拠点をというのだ。
「全部な」
「攻略しますか」
「そうするで」
 こう言うのだった。
「一気にな」
「成程、そうしたお考えですか」
 フォークナーはメルヴィルの話をここまで聞いて腕を組んで唸った。
「ゲリラ戦術は非常に厄介ですが」
「それをやるにも物資が必要でな」
「休息もですね」
「その物資を集め休息を摂る拠点を潰すとな」
「出来なくなりますか」
「遊撃戦もそれが必要や」 
 拠点がというのだ、これは毛沢東が辿り着いた考えである。彼は事実国共内戦や日本との戦いでそうした戦術を執っている。
「それでや」
「この度はですね」
「そうして戦うで」
「わかりました」
「おそらく二人は街から出てな」 
 ルイーザそしてギンズバーグはというのだ。
「自ら隠れつつな」
「アンデットやモンスターを使役してですね」
「自ら戦う、そうなるとな」
「街の守りはですね」
「部下達が受け持ってる筈や」
「星の人達やなくて」
「勿論守りは固めてる」
 このことは絶対だというのだ。
「そやけどな」
「星の人に対抗出来るのは星の人です」
「そういうことや、わし等がそれぞれ軍を率いてな」
「街を攻めますか」
「術に神具も使ってな」
 そうもしてというのだ。
「そして使えるだけの航空機や大砲をや」
「用いますね」
「戦車もな、兎角な」
「全力で攻めますね」
「ここはな」
「いや、ゲリラ戦術にそうされるとは」
 ボームはまるで目が覚めた様な顔になって述べた。
「思いもしませんでした」
「攻めて来る連中を倒そうとするな」
「どうしても」
「烏賊や蛸を倒そうと思ったら触手に向かうが」
「頭を潰すとですね」
「それが一番楽に倒せる」
 彼等と戦う時にはというのだ。
「この世界クラーケンや大蛸もおるけどな」
「獣の中には」
「そやけどそうしたらな」
 頭を潰すと、というのだ。
「一気に倒せる、それと一緒や」
「ゲリラ戦術に対するやり方も」
「そういうことや、ほなやるで」
「ゲリラに対するよりもですね」
「敵の拠点を攻めるで」
「わかりました、考えてみますと」
 ボームは実際にそうした顔になって話した。
「相手もゲリラ戦術を執りますと」
「街を守るよりな」
「そちらに力を注ぎますね」
「そうなるな」
「はい、ゲリラ戦術もです」
 ボームはさらに言った。 
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