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つまさきティミーのお話

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第二章

「そうしましょう」
「殻は市場の細工職人さんに売ればいいよ」
「胡桃の殻は固いから小さな生きものの家具になるわね」
「そうもなるしね、じゃあいいね」
「中を出して保存して殻は市場で売りましょう」
 こうお話してでした。
 夫婦で胡桃の中身を出して貯えました、そのうえで殻は森の市場の家具細工の職人さんのお店に売りました、そうしてです。
 お金も貰って中身はかさばらず貯えることが出来てでした、奥さんはご主人に満足している笑顔で言いました。
「よかったわ」
「そうだね、かさばらず貯えられてね」
「お金ももうかったし」
「いいこと尽くめだよ」
「こうしたことも工夫ね」
 奥さんはしみじみとして言いました。
「かさばるものでも工夫したらね」
「かさばらなくなってね」
「お金も手に入るわね」
「職人さんもいい素材が手に入ったって喜んでくれたね」
「そうね、皆にとっていい結果になったわ」
「全くだよ、そう思うとね」
「今回のことはよかったわね、それじゃあ」
 奥さんはさらに言いました。
「これから冬はね」
「胡桃はいつもそうしていくね」
「ええ、中身だけ出して貯えて殻は売るわ」
「そうしていこうね、何でも工夫だね」
「ちょっと工夫すればね」
「全く違っていて皆にもいいことになるよ」
「本当にそうなるわね」
 奥さんはご主人の言葉に頷きました、そうして冬の間様々な木の実の中にある胡桃の実も食べることにしましたが。
「胡桃はそのまま食べても美味しいけれど」
「お菓子にも使えるのよね」
「そうしても美味しいからね、お酒にもね」
 こちらにもというご主人でした。
「合うからね」
「とてもいい木の実ね」
「身体にもいいし」
「とても素晴らしい木の実だわ」
 夫婦で胡桃の木の実を食べつつお話します、そしてです。
 調理もします、胡桃はそうしてもとても美味しかったのでした。


つまさきティミーのお話   完


                  2023・4・26 
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