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イベリス

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第百十話 咲が気に入った服装その八

「出来るだけです」
「裏の世界にはですね」
「入らず関わらない」
「そうあるべきですね」
「いい世界ではないことはです」
 その右目に強い嫌悪を宿らせてだ、速水は話した。
「ご承知下さい」
「だから私はですね」
「絶対にです」
「入らないで」
「表の世界で生きてです」
 そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「幸せになることですか」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「そのままです」
「生きていくことですね」
「真面目に」
「わかりました」 
 咲は確かな声で答えた。
「そうなる様にします」
「是非、表の世界は色々あってもです」
 それでもというのだ。
「やはり普通に生きられる世界です」
「そうした世界ですね」
「ですから」
「私みたいな人はですね」
「しっかりとです」
 それこそというのだ。
「真面目にです」
「表の世界で、ですね」
「生きて下さい」
「そうします」
 咲も誓って答えた。
「私も」
「その様に。それとです」
「それと?」
「実は近くにいいお店がありまして」
「いいお店っていいますと」
「喫茶店で」
 その店でというのだ。
「コーヒーが絶品なのです」
「コーヒーですか」
「よかったらです」
 咲に言うのだった。
「どうぞ」
「コーヒーですか」
「はい、紹介しましょうか」
 その店をとだ、咲に微笑んで提案した。
「そのお店を」
「お願い出来ますか」
 咲は是非にという感じで答えた。
「それでは」
「はい、それではです」
 速水は咲にその店の名前と住所そして地図も紹介した。それはスマートフォンで行われその後でだった。
 あらためてだ、咲に言うのだった。
「では行かれて下さい」
「そうしてきます、何かです」
 咲は笑顔でこんなことも言った。
「喫茶店でコーヒー飲むなんて」
「趣がありますか」
「大人ですよね」 
 こう言うのだった。
「それって」
「そうですね、よく高校生位の時は」
 速水も笑顔で応えた。
「そうしたお店にです」
「行きたがりますか」
「私もそうでした」 
 こう咲に話すのだった。 
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