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夢幻水滸伝

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第三百八話 ケンタッキー州占領その四

「それでもな」
「難しいので」
「まずはな」
「そうしたものをですね」
「開発してくしかないわ」
 今話している機種達をというのだ。
「それでな」
「空母にですか」
「どのパイロットも発着出来る様な」
 そうしたというのだ。
「技術を備えさせたい」
「そうですか」
「これからな」
 こう言うのだった。
「ええな」
「それでは」
「まあそうした話はこれからのことでな」 
 それでというのだ。
「今はな」
「はい、レキシントン等をどうするか」
「ここは要塞に対する一つのやり方をやってみるか」
 こう言うのだった、笑みを浮かべて。
「そうしよか」
「といいますと」
「別に攻めんでええ」
 フォークナーに面白そうに笑って応えた。
「そういうことや」
「通過するのですか」
「そや、敢えてな」
「そして先に進みますか」
「別に攻めんでもな」
 そうせずともというのだ。
「そうしたらええんや」
「しかしそれでは」
「敵が後方から攻めて来るな」
「その要塞を出て」
「その時はその時や、兎に角な」
「今回はですか」
「レキシントンとかは攻めんでな」 
 そうしてというのだ。
「ケンタッキーを北に進むで」
「そうしますか」
「ああ、やってくで」
「大丈夫でしょうか」
「わしの読み通りやとな」 
 笑顔で言ってそうしてだった。
 メルヴィルはレキシントン等の東をそのまま進んだ、道がなくとも草原を通りそうした。それを見てだった。
 レキシントンにいるギンズバーグは眉を顰めさせて言った。
「しまった、こうなったらな」
「はい、まさかです」
「要塞化した街を攻めないとは思いませんでした」
「その東を通って北上するとは」
「想定していませんでした」
「ああ、しかしな」
 それでもとだ、ギンズバーグは軍議の場で将軍達に言った。
「ここで通過されるとな」
「はい、そうなるとです」
「我々は孤立してしまいます」
「このレキシントンとその周辺に」
「そうなってしまいます」
「ここで敵の後方を襲おうにも」
 そうしようとしてもだった。
「守りを固めてるな」
「ヴォネガット様の軍ですね」
「あの方がそうされています」
「迂闊に攻められません」
「今の状況は」
「メルヴィルさんはそこまで考えてるな、しかもな」
 ギンズバーグは苦い貌で話した。 
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