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おぢばにおかえり

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第七十五話 天下茶屋その二十八

「何かとしてもらって」
「私等何もしてないで」
「気にすることないで」
 お二人は笑ってこう言ってくれました。
「ほんまに今日はよお来てくれたから」
「嬉しいんやで」
「おばちゃんポポちゃんまた来るで」
 新一君はお二人に笑顔で言いました。
「先輩にも来てもらうさかい」
「その時楽しみにしてるわ」
「また来てくれる時をな」
「そうしていてな、では先輩」 
 私にお顔を向けて言ってきました。
「今から」
「ええ、これでね」
「教会に戻ってですね」
「また明日おぢばでね」
「わかりました、じゃあ教会まで送りますね」
「あれっ、帰らないの?」
「女の人を一人にさせられないですから」
 新一君は笑って答えました。
「ですから」
「それでなの」
「はい、送らせてもらいます」
「新一君こうしたところ紳士ね」 
 今回も思いました。
「送ってくれたりして」
「それは常識ですよ」
「そうかしら」
「ですから女の人はです」 
 絶対にと言うのでした。
「一人には出来ないですから」
「それでなのね」
「送らせてもらいます」 
 またこう言ってくれました。
「じゃあ教会まで」
「そこまで言ってくれるなら」
 私としても断る理由はありませんでした、それで新一君と一緒に教会まで帰りました。そうしてからでした。
 私は新一君とお別れして車に乗せてもらっておぢばに帰りました、この日のことは後々まで影響するとは夢にも思いませんでした。


第七十五話   完


                  2022・3・7 
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