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おぢばにおかえり

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第七十五話 天下茶屋その二十六

「おぢばにもカラオケボックスありますけれど」
「人前で歌うこともあるしね」
「おみちの歌ですね」
「実は合唱団にも誘われてるの」
 奥華のです、声域はソプラノです。何でも私の声は普段も歌う時もソプラノの中でもかなり高いらしいです。
「抵抗はないわ」
「歌うことにですか」
「ええ、抵抗はないわ」
「そうですか、じゃあ今度行きましょう」
「下手でもいいの?」
「だって先輩声滅茶苦茶いいですから」
「またそんなこと言って」
 それもこの子の大叔母さん達の前で、です。
「私の声いいの」
「僕はそう思います」
「そうなの」
「はい、それでなんですが」
 私にこうも言ってきました。
「今度おぢばで」
「カラオケになの」
「一緒に行きません?」 
 笑顔での言葉でした。
「カラオケに」
「ええ、じゃあ奥華や学校の皆と一緒にね」
「二人じゃなくて」
「いや、二人でもいいけれど」
 それでもです。
「カラオケは大勢の方がいいでしょ」
「僕一人で行く派ですから、基本」
「そこも新一君らしいわね」
 この子が一人で行動して楽しむタイプであることがわかってきました、それで私もこうこの子に返しました。
「カラオケって一人で行くの」
「少なくとも僕は」
「そうなのね」
「ですが先輩となら」
「二人でなのね」
「行きたいです」
 笑顔での返事でした。 
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