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イベリス

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第百九話 生と死その三

「この子はひいお祖父ちゃんの生まれ変わりって」
「それであんたも生まれ変わり信じるの」
「その時まで半信半疑だったけれど」
 それでもというのだ。
「その子の黒子私も見てね」
「あるって思ったのね」
「確信したのよ」
 半信半疑だったものがそうなったというのだ。
「本当にね」
「そうなのね」
「いや、本当にね」
 クラスメイトは咲に真顔で話した。
「生まれ変わりはあるわよ」
「私はそうしたお話聞いて思ってるだけだけれど」
「あるわよ、生まれ変わりは」
「輪廻転生は」
「咲っちの言う通りにね」
「そうなのね、いやそれで死んだらね」
 咲はあらためて話した。
「生まれ変わるけれど」
「その時の一生は終わりだから」
「天寿を全うするまではね」
「死なないことね」
「そうでしょ、本当に死んだら」
 まさにというのだ。
「それでね」
「終わりね」
「そうなるからね」
「大怪我でも」
「助かったらね」
「それに越したことないのね」
「孫正義さんも言ってたし」
 咲はソフトバンクグループの総帥であるこの人物のことも話した、何かと話題の人物であることは事実だ。
「致命傷でも生きていたら何度でもやり直せるって」
「それその通りね」 
 クラスメイトもまさにという顔で頷いた。
「本当にね」
「人間生きていたらね」
「何度でもやりなおせるわね」
「ええ、先輩さんもね」
「今はなのね」
「傷を回復させてね」
 そのことに専念してというのだ。
「またね」
「元気になったら」
「また頑張ってくれたらね」
 それならというのだ。
「それでね」
「いいわね」
「スポーツ選手だってね」
「怪我してもね」
「復帰出来るしね」
「命があればなのね」
「それで何度でもね」
 今話している通りにというのだ。
「立ち上がれるしね」
「カムバック賞ってあるしね」
「まずは怪我しないことが第一だけれどね」 
「怪我してもね」
「命さえあったら」 
 咲はあらためて言った。
「カムバックも出来るわ」
「それね、何はともあれね」
「生きてることね」
「それが第一ね」
「そう思うわ」
 朝登校してそうした話をした、そしてだった。
 咲はこの日も学校生活を楽しんで部活にも出たが。
 その部活でも命があればと登場人物が言っている作品があって咲は思った。
「その通りね」
「どうしたの?」
「いえ、今読んでる漫画で生きていればってあったんですが」
 副部長に聞かれて話した。 
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