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X ーthe another storyー

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第二十七話 集結その十一

「そう思っていてもね」
「それでもよね」
「積極的にはね」 
 その様にはというのだ。
「思っていないよ」
「そうよね」
「彼にしてもね」
「星ちゃんもね」
「彼もだよ」
「考えていないわね」
「そうだよ」
「それじゃあね」
 まさにというのだった。
「庚さんも本心はそうだし」
「だとすると」
「あの人しかいないよね」
「もう一人の」
「あの人に気を付けないとね」
「わかっているよ、今もあの人が目覚めていないから」
 それ故にとだ、牙暁は答えた。
「だからだよ」
「こうしてお話出来るね」
「今あの人は歯噛みしているよ」
「自分の力が封真君に弾かれて」
「そうなってね」 
 それでというのだ。
「間違いなくね」
「そうよね」
「けれど」
 それでもとだ、牙暁は話した。
「あの人も眠って」
「人間だからね」
「それに本来のあの人がいるから」
「抑えてるのね」
「次第に抑えられなくなっていても」
「まだね」
「抑えているよ、だから」
 それ故にというのだ。
「封真への干渉も」
「失敗したわね」
「彼は確かな心を以て弾き返したけれど」
 その干渉をというのだ。
「それが出来たのも」
「あの人がよね」
「抑えたからね」
「弾けたわね」
「だからね」 
 それでというのだ。
「今はまだね」
「抑えられるわね」
「次第に無理になってきているけれど」
「それでも今はね」
「出来ているよ、そしてね」
 牙暁は自分の話を続けた。
「あの人だけが人間を滅ぼしたいなら」
「それならね」
「あの人を何とかすることかな」
「そうなるわ。じゃあ今はね」
「うん、これでお別れだね」
「もうすぐそっちに星ちゃん来るわね」
 その彼がというのだ。
「星ちゃんのこと宜しくね」
「うん、ただ彼については」
「出来る限りのことをしていこう、それで無理ならね」
「もうだね」
「星ちゃんのことは覚悟も決めてるから」
 寂しい笑顔になってだ、北斗は話した。
「だからね」
「出来る限りのことをして」
「それで駄目ならね」
 それならというのだ。
「もうね」
「いいんだ」
「仕方ないわ、じゃあね」
「うん、またね」
 牙暁から一時の別れの言葉を告げてだった。 
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