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ラビットアドベンチャー

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第二章

「準備が整い次第」
「出発ですね」
「そうしよう」
「その際は私も忘れないで」
「わかっているよ」
 時計に応えてでした。
 兎は朝ご飯をすぐに食べて歯を磨いて毛づくろいをしてでした。
 タキシードを身に着け蝶ネクタイをしてシルクハットを被り片眼鏡を右にかけて視力も補って海中時計を持ってでした。
 出発しました、その際です。
「戸締りはしないとね」
「それは絶対ですね」
「幾ら急いでいても」
 それでもというのです。
「それを忘れるとね」
「泥棒がいますからね」
「うん、僕は家族もいないしね」
「早く結婚したいですね」
「全くだよ、何処かにいないかな」
「今度男爵様に紹介してもらいます?」
 時計は戸締りをする兎に提案しました。
「そうします?」
「そうだね、何はともあれね」
「今はですね」
「戸締りはしたし」
「今からですね」
「出発だよ、走るよ」
「おっと、激しい運動の前は」
 時計は走ると言った兎に言いました。
「ちゃんとです」
「準備体操だね」
「それをしませんと」
「身体を傷めかねないね」
「そうです、忘れずに」
「それではね」
 兎も時計の言葉に頷いてでした。
 しっかりと準備体操をしました、そうしてです。
 走ります、時計を見ながらそうしますが。
「遅刻だ遅刻だ」
「そうなりかねませんね」
「うん、だからね」
「急ぎますね」
「近道をするか」
 兎はここで言いました。
「普段は人もいてあまり行きたくないけれど」
「今は急ぐので」
「僕が全速で駆けたら人間も犬も追い付けないし」
「それならですね」
「今は急がないといけないから」 
 だからだというのです。
「そちらをね」
「通りますね」
「そうするよ」
「それでは」
 時計も頷いてでした。
 兎は近道を通りました、その時も遅刻だ遅刻だと言っていますが。
 駆けている中で、です。時計は兎に言いました。
「何か後ろから人間の女の子がいますよ」
「女の子?」
「はい、そうしていますが」
「鉄砲持ってないよね」
 兎は後ろを振り向くことなく時計に答えました。 
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