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二番でも同じ学部

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第二章

「だから彼のことは意識していても」
「ライバル心はなの」
「それはね」
 否定しない返事だった。
「あるわよ」
「やっぱり」
「けれどね」
「また別ね」
「進みたい道が同じじゃないなら」
 将来のというのだ。
「どうしてか」
「もっと強く」
「意識するか、というか野球でもね」
 瞳はクラスメイトにスポーツの話をした。
「ピッチャーとキャッチャーで競争する?」
「しないわね」 
 クラスメイトもそれはと答えた。
「ポジション違うし」
「投げる方と打つ方でね」
「チームが違うと勝負するけれど」
「でしょ?そうしたものだってね」
 その様にとだ、瞳はクラスメイトにあらためて話した。
「私言われたから」
「中学の時に」
「そう、自分が進んでいる道で活躍したくて」
「テストで一番とかはなのね」
「なれたら嬉しいけれど」 
 この気持ちがあることは事実だがというのだ。
「こだわることはしないわ」
「そうなのね」
「これからもね」
「成程ね、そうした考えだとね」 
 クラスメイトは瞳のその話を聞いてこう言った。
「気が楽でかえって頑張れるかもね」
「私もそう思うわ、それじゃあね」
 それならというのだった。
「これからもね」
「頑張っていくのね」
「私の道でね」 
 微笑んで言った、そうしてだった。
 瞳は大学でも頑張っていき彼と同じく医者になったが。 
 感染症の権威として知られる様になった、そして内科の名医として知られる様になった彼のことを聞く度にそうなのね、という反応を出した。そのうえで感染症への研究を続けていったのだった。


二番でも同じ学部   完


                  2023・7・21 
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