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仮面ライダーカブト 明日のその先へ

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第四章

「今の俺は仮面ライダーザビーでもある。覚えておけ」
「田所さんがですか」
 加賀美は今の田所の言葉を聞いて目を丸くさせる。
「まさか、あの」
「何か不満か?」
「いえ、田所さんなら問題はないと思いますけれど」
 実力も人望も備わっている。それは加賀美もわかる。しかしいきなり言われると戸惑わずにはいられないのも事実だった。加賀美は今戸惑っていたのだ。
「それにしてもザビーですか」
「ザビーは俺を認めたんだ」
 田所自身も述べてきた。
「資格者にな」
「そうですか、そのザビーの力で」
「今度の戦いに挑む。俺と御前、そして」
 目の前に三人の男が姿を現わしてきた。やたらと険しく逞しい顔と身体の男に顎鬚を生やした男、そして端整で男気のある顔立ちの男の三人がそこにいた。
「この三人でな」
「ええと、この人達は」
 見れば加賀美より年上のような者もいる。それでこの人達と様子を探るように言ったのだ。
「新しく開発されたライダーシステムの資格者達だ」
 それが田所の答えだった。
「仮面ライダーコーカサス」
「黒崎一誠という」
 逞しい男が名乗ってきた。名乗ると共に表情を変えずその手に青い薔薇を出してきた。
「宜しく頼む」
「仮面ライダーヘラクス」
「織田秀成だ」
 男気のある顔の男が挨拶をしてきた。
「加賀美新だな、宜しく」
「ああ、こちらこそな」
 加賀美は彼に言葉を返した。最初からいい印象であった。
「仮面ライダーケタロス」
「大和鉄騎」
 顎鬚の男が名乗った。
「宜しくだ」
「この三人だ」
 田所は説明を終えて加賀美に対して声をかけてきた。
「三人は俺の指揮下で戦う。ゼクトのライダーとしてな」
「じゃあ俺もですね」
「いや、御前は単独行動を頼む」
「あれっ、何で俺だけなんですか?」
「ガタックはその方が向いているからだ。この三人にしろいざという時は単独行動を認めている」
「そうなんですか」
 加賀美は田所の話を聞いて頷いた。こうして見るとかなり頼もしい面々であった。
「そして協力してくれる組織もある」
「まだあるんですか」
「そうだ、ボードだ」
 田所は加賀美の聞き慣れない名前を出してきた。
「ボード!?何ですか、それ」
「御前には話してなかったか」
「いえ、初耳ですけれど」
 加賀美はそう述べる。いぶかしげな顔で首を捻っていた。
「ゼクトと関係あるんですか、それって」
「簡単に言うと兄弟のようなものだ」
 それが田所の説明だった。
「兄弟ですか」
「都市伝説で仮面ライダーというのがあった」
「ああ、それ知ってます」
 それは加賀美も知っていた。本も読んだ。
「あの白井虎太郎のベストセラーですよね。俺持ってますよ」
「それでわかるな。ボードというと」
「あのボードだったんですか」
「そうだ。実はな、この三人のライダーシステムもまた」
「ボードとゼクトの協力で開発されたものだ」
 大和が加賀美に言ってきた。
「こちらはゼクトの技術だがな」
「じゃああっちにはボードの技術がメインのライダーが」
「そういうことだ」
 今度は織田が加賀美に述べた。
「これでわかってくれたかな」
「そうだったのか。ボードがまだあるって聞いていたがゼクトと深い関係があったなんて」
「烏丸所長は協力を快諾してくれた」
 田所がまた加賀美に述べる。
「あちらのライダーとも共闘することになる。いいな」
「何か凄いことになってますね」
 加賀美は暗く広い部屋の中で興奮していた。
「二つの組織のライダー達がって」
「そうでもしなければ今度は勝てない」
 田所の言葉が沈痛なものになる。
 
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