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可愛い子狐達

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第二章

「私も」
「ですがそれがです」
「実はですね」
「違っています、それでも今はです」
 木津根達を見つつ言うのだった。
「ホープが三匹を育てています」
「それは何よりですね」
「全くです」
 チャンは笑顔で頷いてだった。
 狐達の写真を撮った、そしてその写真はかなり好評だった。
 チャンはアメリカだけでなくイギリスでも仕事をしたが。
 仕事で入ったコーンウォールの施設で二匹の子狐を育てている母狐を見たが。
「コン」
「コンコン」
「ココン」
「彼等はです」 
 施設のスタッフが言ってきた。
「最初大変でした」
「どうしたんですか?」
「母狐、ローズがです」
 彼女の名前を呼びつつ話した。
「毒入りの餌、罠を食べさせて」
「退治の為の」
「しかも銃で撃たれて」
「怪我もして」
「そしてです」
 そうなってというのだ。
「本当にです」
「大変だったんですね」
「はい」
 そうだったというのだ。
「とても」
「そこでこちらで、ですね」
「保護しまして」
 そしてというのだ。
「手当てをしまして」
「助かったんですね」
「運がいいことに」
 スタッフはチャンに心からの笑顔で答えた。
「そして今はです」
「子供達とですね」
「こちらで仲良く暮らしています」 
 そうしているというのだ。
「子狐はどちらも雄でペリアスとヘリアスといいます」
「名前はそうなっていますか」
「そして親子で」
「一緒にですね」
「仲良く暮らしています、では」
「はい、撮らせて頂きます」
 チャンは笑顔で応えてだった。
 狐の母子の写真を撮った、そのうえで。
 仕事をした、そして彼は狐と縁があることに嬉しいと思った。そこに愛情が観られてかつ仕事になっているのだから。


可愛い子狐達   完


                   2023・7・16 
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