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X ーthe another storyー

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第二十四話 未来その十

「やっぱりね」
「助かって欲しいんだね」
「星ちゃんも昴流ちゃんと同じで私の大切な人だから」
 それ故にというのだ。
「絶対にね」
「そう思うからこそ」
「助かって欲しいんだ」
「そう願っているんだね」
「だから術をかけたの。けれど星ちゃんは死ぬわ」
 北斗は今度は寂しい笑顔になって話した。
「多分ね」
「その運命は変えられないんだね」
「けれど星ちゃんはちゃんと昴流ちゃんを想っているから」
 それ故にというのだ。
「もうね」
「皇昴流は」
「大丈夫だよ、暫く凄くショックを受けても」
 そうなってもというのだ。
「絶対にね」
「大丈夫なんだね」
「うん、それでね」
「彼女もだね」
「星ちゃんは死ぬって言ったけれどまだ何も決まってないんだよ」
 このことはにこりと笑って話した。
「運命もね」
「決まっていないんだよ」
「僕と違う考えだね」
「違う人だからね」
「考えが違うのも当然だね」
「そうだよ、それで私はね」
 北斗はというのだ。
「そう考えているの」
「そうなんだね」
「それに牙暁ちゃんも出来れば」
「変わって欲しいよ」
 牙暁は本音を話した。
「僕だってね」
「そうよね」
「僕が見た運命は」
「私が殺されるものだったわよね」
「そうだった、それでね」
「避けたかったのよね」
「君が言う運命通りに」
 その時のというのだ。
「君が彼を殺しているか」
「昴流ちゃんが殺していたか」
「そうだったらね」
「そうよね、けれどね」
「君はそうなって欲しくなかったから」
「そうしたんだ、そしてね」
「今に至るんだね」
「その時は私も知らなかったけれど」
 北斗は真剣な顔になって言った。
「若しあの時私が星ちゃんを殺して」
「君が桜塚護になったら」
「昴流ちゃんにどう言えばよかったかな」
「それは」  
 牙暁も返答に窮した、そのうえで言った。
「僕にもわからないよ」
「そうよね、それで星ちゃんが地の龍じゃなかったら」
「桜塚護は地の龍の一人だよ」
「それは決まってたのよね」
「力が受け継がれてね」
「それならね」
「君が地の龍となっていたよ」
「それで昴流ちゃんと戦うことになったね」
「そうだよ」
 牙暁は北斗にその場合のことも話した。
「間違いなくね」
「それも嫌よ」
「じゃあ君は殺されてよかったんだね」
「昴流ちゃんの哀しい顔は見たくない、そうなっても」
「出来る限りだね」
「和らげたい、そして立ち直れる様にね」
「したくて」
「私はあの時ああして」
 桜塚星史郎に殺されてというのだ。 
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