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新オズのリンキティンク

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第六幕その四

「それでな」
「そのうえで、ですか」
「オズの国でもな」
 こちらでもというのです。
「そう呼んでもらってるわ」
「それで、ですか」
「ああ、織田作さんって呼んでくれるか」
「わかりました、それでは」
 王子は一呼吸置いてでした、織田さんあらため織田作さんに言いました。
「織田作さん、これで宜しいでしょうか」
「ええ感じや、ほなな」
「これからはですね」
「王様達もな」
「織田作さんとお呼びしますね」
「よろしゅうな」
「それでだけれど」
 王女も織田作さんに言ってきました。
「ちょっといいかしら」
「どないしたんや?」
「織田作さんは何処かに行くみたいだけれど」
 前から歩いてきたことから言いました。
「何処に行くのかしら」
「ああ、ちょっと本屋さんまでな」 
 織田作さんは王女に笑って答えました。
「行くねん」
「そうなのね」
「かみさんに留守番頼んで」
 そのうえでというのです。
「ちょっと本を買うんや」
「作家さんだから本も必要ね」
「そや、これがまた出来たかみさんでな」 
 織田作さんは自分から奥さんのお話をしました。
「何かと助かってるわ」
「恋女房ね」
「そや、外の世界では先立たれたけど」
 そうなってしまったけれどというのです。
「こっちの世界ではな」
「また一緒になれて」
「もうずっとや」 
 それこそというのです。
「二人でおるで」
「それは何よりね」
「一緒になるまで色々あったし」
 昔を懐かしむお顔でこうも言いました。
「それでオズの国でも一緒で」
「嬉しいのね」
「ああ、今はパソコンで書いてるけど」
 作品をというのです。
「原稿に書いてた頃は辞書ひいたりもしてくれて」
「お仕事も助けてもらっていたのね」
「そや、もう離れんで」
 絶対にというのです。
「二度とな」
「ご安心ーー下さい」
 チクタクも織田作さんに言ってきました。
「オズの国ーーではーーです」
「死なんからな」
「誰もーーです」
「そやからな」
「お二人がーー離れるーーことーーはです」
 そうしたことはというのです。
「絶対にーーです」
「ないな」
「左様ーーです」
「そやな、そやからこれからもな」
「奥さんーーとーーですーーね」
「一緒におるわ、そうして小説書いてくわ」
 そうしていくというのです。
「是非な」
「はいーーそれーーでは」
「そういうことでな、ほな機会があれば」
「またーーですーーね」
「会おうな」
 笑顔で言ってでした。 
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