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怠け者エルフと真面目オーク

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第四章

「面倒臭くないし」
「それでは」
「箒に乗って帰るわ」
「そこは魔術師らしいですね」
「魔女ね、それじゃあね」
「はい、今日もお疲れ様でした」
「また明日ね」
 こう言ってだった。
 エルミアはゆっくりと立ち上がってそのうえで研究室を後にしたアログも続いて彼が部屋の戸締りをした。
 そして研究室のある建物を出るとだった。
 箒に乗って空を飛び自宅に帰った、アログもそれを見届けてから箒に乗って自分の家に帰った、だが。 
 自宅でも二人は同じだった、エルミアは家に帰ると同居人であるダークエルフのOLマルヤム=シャータに呆れた声で言われた。
「動く気は?」
「ないわ」
 ソファーに寝転がって言うのだった。
「何一つとしてね」
「全く、あんたって本当に動かないわね」
「だからずっとだらだらしてよ」
 部屋着姿で言うのだった、マルヤムが上は黒のセーター下は白のスラックスであるのに対して上下共高校時代に着ていた上は白下は赤の膝までの半ズボンの体操服姿だ。
「そうしてよ」
「暮らしていたいのよね」
「そうなのよ」 
 マルヤムにもこう返した。
「私はね」
「何処まで怠け者なのよ」
「だから働いたらね」
 この言葉も出した。
「負けでしょ」
「その言葉好きね」
「私の座右の銘よ」
「それでよね」
「実際によ」
 まさにというのだ。
「私はね」
「動かないのね」
「そして働きたくないわ」
「お家の中でも
「ちゃんと自分で動いてくれるゴーレム作ってるから」
 見れば鉄のそれがしっかり家事をしている。
「あんたもね」
「家事しなくていいっていうのよね」
「いいでしょ、楽で」
「あのね、そうして暮らしていても」
 マルヤムはエルミアに呆れた声で語った。
「いいことないわよ」
「真面目に生きろっていうのね」
「あんたの助手さんのお話聞いてるわよ」  
 アログのことをというのだ。
「物凄く真面目で働き者なのよね」
「私と正反対にね」
「家事もして」
「お家一人暮らしだけれど」
 それでもというのだ。
「いつも隅から隅までピカピカよ」
「見事なものね」
「お料理も自分で相当忙しくない限り作って」
 そうしてというのだ。
「健康のことも考えてよ」
「作ってるのね」
「そうなの」
 これがというのだ。 
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