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自衛官が父親だと

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第一章

                自衛官が父親だと
 結婚式が近付いてだ、サラリーマンの熊本則夫は妻となってもう入籍している悠旧姓鹿児島に対して言った。
「じゃあお義父さんとお義母さんにもね」
「招待状送らないとね」
「親しい人には皆送ってるし」
「お互いの親には送らないとね」
 黒髪をロングにして豊かな胸とやや垂れた大きな目と白い肌に先が尖った顎と小さな赤い唇を持つ一六〇程の背の妻は自分より十三センチ位背が高く痩せて黒髪をセットして明るい顔立ちに威勢のいい感じの眉の夫に言った。
「絶対に」
「そうだよ、それで」
 夫は妻にさらに言った。
「お義父さんとお義母さん北海道だから早いうちに」
「えっ、今東京よ」
 悠は夫に真顔で答えた。
「三日前に転勤して」
「えっ、北海道だったのに」
「だってお父さん自衛官よ」
 悠は即座にこう答えた。
「だからね」
「それでか」
「そう、自衛官は転勤が多いから」
 それでというのだ。
「お義父さんもね」
「転勤でか」
「東京よ」
「あの、最初に会った時は久留米で」
「あの時お父さん学校の教官だったしね」
「陸自さんの幹部候補生学校の」
「それで入籍した時は北海道でね」
 今話に出たその場所でというのだ。
「今は東京なのよ」
「本当に転勤多いな」
「自衛隊は日本全土に基地あるし。それにお父さん二等陸佐で」
「幹部だよな」
「幹部自衛官は転勤が特に多いから」
「お義父さんもか」
「お義母さんも一緒にね、私が子供の頃なんて」
 悠は笑って話した。
「本当に転勤が多いから」
「それでなんだ」
「単身赴任だったのよ、引っ越しばかりだと私が可哀想だからって」
 そう考えられてというのだ。 
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