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トイレはちゃんと造る

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第二章

「匂いもしないしな」
「清潔でしょ」
「ああ、ただな」
 ここで夫は妻に尋ねた。
「水洗トイレにしたのはわかるよ」
「ええ、よかったでしょ」
「ただ何でウォシュレットもなんだ?」
 このことも聞くのだった。
「一体」
「それね」
 真礼は俊二に確かな声で応えた。
「その方が奇麗になるからね」
「ああ、お尻がか」
「拭くだけよりもね」
「洗うとか」
「余計に奇麗になって」
 そしてというのだ。
「清潔だし下着もね」
「汚れないか」
「男の人は色が派手だけれど」 
 夫のトランクスの柄から言った。
「女の人は白とかピンクとか」
「薄い色も多いんだな」
「私だってそうでしょ」
「そうだな」
「特に小さい子はね」
「白とかが多くてか」
「汚れが目立つからよ」
 それでというのだ。
「ちゃんと奇麗になる様にね」
「ウォシュレットも付けたんだな」
「そう、あるならね」
 それならというのだ。
「ちゃんとね」
「付けることか」
「そうよ、そしてね」
「ウォシュレットも付けてか」 
「余計に奇麗になる様にしたのよ」
「清潔さは大事だな」
「おトイレにこそね」
 妻は夫に笑顔で話した。
「そうよ、そして安全もね」
「大事だな」
「そういうことよ」
 夫に笑顔で話した、そしてだった。
 一家でトイレを使っていった、トイレはいつも清潔で安全でだった。二人の娘はそのトイレを使いながらすくすくと育っていった。


トイレはちゃんと造る   完


                   2023・6・17 
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