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お姉ちゃんが風邪をひいたので

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第二章

「ずっとベッドで寝てるの?ご飯は?」
「テーブルの上に置いておくわ」
「けれど誰もいないのよね」
「皆は楽しく映画を観てね」
「そんなの嫌よ、私だけ観れないなんて」
「そうでしょ、だからね」
「今日はなの」
「お休みしてお姉ちゃんの看病して」
 そうしてというのだ。
「来週ね」
「お姉ちゃんの風邪が治ったら」
「皆で行きましょう」
「わかったわ」
 それならとだ、彩奈も頷いた。両親特に母の言葉に素直に頷いてだった。
 この日は家の中で遊んだ、そして次の週だった。
 彩奈は姉の響母や妹と同じ顔だが黒髪をツインレールにした彼女に言った。
「じゃあお姉ちゃん今からね」
「ええ、映画よね」
「一緒に行こうね」
「先週は風邪ひいたけどね、私が」
 二つ上の姉は残念そうに言った。
「けれどね」
「今日はね」
「うん、私も元気だし」
「私もお父さんもお母さんもね」
「だからね」 
 それでというのだ。
「今からね」
「一緒にね」
「映画館行こう」
 姉妹で話した、そして両親に声をかけられてだった。
 一家で家を出た、そうして映画館でそのアニメを観た。一家全員で観たその映画は最高に面白かった。


お姉ちゃんが風邪をひいたので   完


                     2023・5・17 
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