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間違えられた猫達 

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第二章

「メッシーナ、いる?」
「早くて出て来て」
 ミカエラがまた叫んだ、すると。
「ニャア」
「あっ・・・・・・」
 ここでだ、ジャガーに似た模様で大きな耳を持つ猫がだった。
 森から出て来て一家の前に駆けてきた、そうしてミカエラの腕の中に飛び込んで抱かれたが。
 それを見てだ、カリルはほっとした。そして消防署にも周りの人達にも彼女の事情を話して二度とこんなことがない様にした。
 その話を聞いたイスラエルで生まれ育っているハムダン=ジブリ十八歳で黒髪で立派な体格の彼は動物園で知り合いのスタッフに話した。
「いや、ブラジルでもあるんですね」
「そうしたことがね」
「はい、僕も仕事前にです」
 檻の中の未だ子供の三匹のジャングルキャットを見つつ話した。
「この子達を見付けて」
「最初は猫と思って」
「親を探したらいなくて仕事があるんで行って」
「仕事帰りに保護したね」
「それでどうも普通の猫と違うと思ったら」
 外見からである。
「そうしたら、でしたから」
「ジャングルキャットでね」
「ここに相談に来たら」
 その三匹を保護したうえでだ。
「引き取ってくれましたね」
「うん、ジャングルキャットはイスラエルでは六百匹しかいないね」
「貴重な生きものなので」
「そうしたよ、診察したら三匹共弱っていたけれど」
 それでもとだ、動物園の人は話した。
「助かったしね」
「よかったです」
「君のお陰だよ、じゃあ三匹共やがてね」
「自然に帰しますね」
「そうするよ、マイクロチップも入れてるし」
「名前も付けましたね」
「二匹の雄はハムとセムで」
 動物園の人は名前の話もした。
「雌はマリアだよ」
「その名前ですね」
「うん、じゃあ後はね」
「はい、この子達に神の加護があらんことを」
「ニャア」
「ウニャア」
「ミャア」
 ジブリは三匹の幸せを神に祈った、すると。
 三匹も祈る様に鳴いた、そしてだった。
 ジブリは三匹が自然に帰されその中で暮らしていると聞いた、それぞれ逞しく生きているとも言われてあの時三匹を助けてよかったと笑顔になったのだった。


間違えられた猫達   完


                   2023・6・17 
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