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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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第6宇宙の女サイヤ人

 
前書き
カリフラ達は力の大会からあまり大したパワーアップはしていません 

 
悟林とトランクスと悟天はピッコロに天界に呼び出されて何事かと思ったが、何と第6宇宙のサイヤ人3人を連れてシャンパがビルスと何時もの勝負をしに来たらしい。

その間は暇なのでサイヤ人で手が空いている3人が選ばれたようだ。

因みに今の悟林の道着はトランクスと出掛けるとチチに伝えると無言で渡された道着である。

天下一武道会に参加した時に着ていたチチの嫁入り前衣装の道着であったことなど知らない悟林は母から渡された道着を普通に着ていた。

「やあ、キャベ君…久しぶり。力の大会以来だね」

「はい、お久しぶりです悟林さん」

第6宇宙との格闘試合で面識のある2人が会話を進めていく。

「力の大会じゃあ悟飯に負けたんだっけ?あ、あいつ私の弟なの」

「あの人は悟林さんの弟さんでしたか…道理で強いわけです…」

超サイヤ人に変身していないのに超サイヤ人を凌駕する強さだった。

それが同じ変身せずに強い悟林の弟なら納得するしかない。

「はは、すぐに怠ける馬鹿だからそんな風に言わなくて良いよ…その子達もサイヤ人なんだね?」

「あ、はい。カリフラさんとケールさんです」

「あんたが前にヒットを倒した孫悟林って奴かい?」

「そうだよ?それがどうかしたかな?」

「ちょっとあたしの相手をしな!」

カリフラが構えると悟林は笑みを浮かべる。

キャベ以外の第6宇宙のサイヤ人で、力の大会に選ばれるだけの素質がある自分以外の女サイヤ人に興味が湧いた。

「ちょ、ちょっとカリフラさん!?」

「良いよキャベ君。私もカリフラちゃん…だったかな?この子の力に興味があるし…でもね、私は手加減が苦手だから優しい手合わせは期待しない方が良いよ?」

拳を鳴らしながら危険な笑みを浮かべる悟林に対して冷や汗をかきながらも興奮した笑みを浮かべるカリフラは気合を入れて超サイヤ人に変身する。

「超サイヤ人…なるほど、中々の実力のようだね?」

「舐めんなよ…はあああっ!!」

余裕の笑みを崩さない悟林にカリフラは絶対にその顔を崩してやると言わんばかりに超化を更に促して超サイヤ人2に変身する。

「へえ、超サイヤ人2…うん、セルと闘った時の私達姉弟の超サイヤ人2より強い。でもね、超サイヤ人2がサイヤ人の限界じゃないんだよ?ふんっ!!」

悟林もまた気合を入れて超化すると、一気に金髪の超サイヤ人の極みの形態である超サイヤ人3に変身する。

「なっ!?髪が…伸びた!?それにこのパワーは…!?」

「これが超サイヤ人を超えた超サイヤ人を更に超えた…超サイヤ人3だよ。」

「ス、超サイヤ人3…凄えパワーだ…!」

超サイヤ人2を超越する超サイヤ人3の超パワーに圧倒されるカリフラとキャベ。

そして悟林は通常状態に戻るとそのまま構える。

「さあ、始めるよ?」

「何で変身を解くんだよ…?」

「私に変身してもらいたいなら、力ずくでさせてみなよ。もし、君が私に変身を選ばせる実力ならしてあげる」

「舐めやがって…!絶対にさっきの超サイヤ人3ってのに変身させてやらあっ!!」

通常状態で超サイヤ人2のカリフラを相手にすると言う悟林にカリフラの米神に青筋が浮かぶが、絶対に変身させてやると決意して構えた。

「出来るといいねぇ?さあ、カリフラちゃん?おいで」

「舐めてんじゃねえぞ!この野郎!!」

オーラを迸らせながら悟林に突撃するカリフラ。

悟林は笑みを深めて迎え撃つ。

「取り敢えず、危ないから離れて下さい」

「そうそう、姉ちゃんってば本当に手加減しないからさ」

「えっと、あなたもサイヤ人なんですか?」

トランクスと悟天がキャベとケールに下がるように促すと、サイヤ人の特徴を持っていないのにサイヤ人特有の気を持つトランクスをキャベもケールも不思議そうに見上げる。

「あ、はい。地球人との混血ですがね」

「姐さん…」

不安そうに悟林にラッシュを繰り出すカリフラを見つめるケール。

「うーん、素の実力が姉ちゃんが10ならカリフラさんだっけ?あの人は4?それとも5くらいかなぁ?」

悟天は冷静にカリフラの猛攻を軽く捌く悟林と全力のラッシュを仕掛けているカリフラとの実力差を比べる。

「そ、そんな!姐さんとあの人にそこまでの力の差が!?」

「うーん、あくまで僕の予想だけどね?でも見てみなよ、姉ちゃんとカリフラさんの動き」

確かにカリフラは強いが悟林と比べて動きに無駄があり、要らない力が入っているように見える。

幼い頃から厳しい修行をして強敵と闘って優れた師匠に恵まれて鍛えてきた悟林の動きを見ているとカリフラの動きがどれだけ無駄が多いのかが分かる。

カリフラの拳を簡単に手のひらで受け流し、蹴りを両腕をクロスさせながら後方に飛んで威力を殺しながら距離を取り、人差し指をカリフラに向ける。

「当たったら死ぬよ?」

不敵な笑みを浮かべながら指先に小さな気弾を作り出してそのままカリフラに発射する。

「っ!?やべえっ!!」

悪寒を感じたカリフラは防御ではなく回避を選んだ。

その選択は正解であり、あれは気を極限まで収束・圧縮させた凄まじい破壊力を秘めた物であり、もしカリフラが受けていたら木っ端微塵になっていただろう。

そして、悟林はカリフラの回避を先読みしており、真上に移動すると蹴りを脳天に叩き込んで地面に叩き付けると一気に攻勢に出る。

地面に倒れるカリフラに通常状態で気を解放した悟林が襲い掛かる。

「くぅっ!?」

落下の勢いを加算させながらの鋭く重い蹴りを何とかかわすが、それも読んでいた悟林にもう片足で蹴り上げられる。

腹に吸い込まれるように入った蹴りにカリフラは血反吐を吐いて悶絶するが、悟林は距離を詰めてラッシュを繰り出す。

「ほらほらっ!!この程度じゃあ超サイヤ人になるまでもないねっ!!」

カリフラは何とかこの重い拳を防ごうとするが、カリフラの防御を先読みして繰り出している悟林の拳は吸い込まれるようにカリフラの顔面に入っていく。

「く、くそおっ!!舐めんじゃねえ!!」

「おっ!?」

カリフラは気を解放して悟林を吹き飛ばすと、片手に気を集中する。

「クラッシュキャノン!!」

片手から連続で放つ赤い気弾に対して悟林は即座に構えてオーラを纏う。

「ギャリック砲!!」

威力を落として攻撃範囲を広げて放つと、カリフラの気弾と激突するのと同時に全ての気弾を粉砕する。

その隙にカリフラは距離を詰めて悟林に拳を振るったが、片手で掴み止められる。

「へっ…」

「うん、今のは少し驚いたよ。」

悟林の髪が金髪になり、目も碧に染まってカリフラの物より緩やかな黄金のオーラを纏っている。

基本の変身とは言え、カリフラは悟林に超サイヤ人に変身させたのだ。

「予想以上の成長速度じゃない。ちゃんと鍛えた成長速度なら悟飯と肩を並べるかもね…よし、君の場合は上の力を押し付け続けた方が良さそうだ。少し強くなったら少しずつ力の段階を上げてくよ?力の大会が生温く思えるくらい厳し~い修行になるから、うっかり気を抜いて死なないでよ?」

超サイヤ人3に変身してカリフラとの実力差を大きく広げる悟林。

カリフラの成長度合いによって更に力の段階を上げていくと言っていることから流石のカリフラもこれが力の一端と見せつけられて引き攣った笑みを浮かべる。

「これで全然って…お前って規格外過ぎねえか?」

「そりゃあ、子供の頃から厳しい修行してるからねえ。君は素質はあるけど体が貧弱すぎる。そんな状態で超サイヤ人3になってもすぐにガス欠になるよ。やるなら徹底的にさ…覚悟はいいね?」

「上等だ!来やがれ!!」

悟林の姿が掻き消えたと思った瞬間、カリフラの腹に突撃の勢いと無駄を極限まで削いだ拳が叩き込まれる。

「ご…っ!?」

通常状態とは比べ物にならない重い一撃にカリフラは悶絶して通常状態に戻る。

「え?もう終わり?呆気ないなぁ…この程度で参るなら超サイヤ人3よりも上の力なんて到底無理。諦めなさい」

変身を解こうとする悟林にカリフラは再び超サイヤ人2に変身すると立ち上がる。

「勝手に終わらせんじゃねえ…あたしはまだやれるぞ!!」

「根性だけはあるようだね…気を抜くと腑抜けるどっかの馬鹿に爪の垢を煎じて飲ませてやりたいくらいだよ」

「カリフラさんだっけ?悟林さんが大好きなタイプだ」

「え?」

「悟林さんは強さもそうだけど根性のある人を気に入る人なんだ。」

「姉ちゃんに目をつけられたら大変だよー?カリフラさん寝てる間も姉ちゃんに扱かれる夢見るようになるかも」

悟林と言う人間を良く知る2人が悟林に気に入られたカリフラが物凄く扱かれると確信した。

「だけど、超サイヤ人3はエネルギーの消耗が激しい。カリフラさんがそれに気付いて悟林さんがガス欠になるまで保つかどうか…」

フュージョン前提とは言え、超サイヤ人3への変身が出来るトランクスは長期戦になればカリフラにも勝機はあると思う。

それでも悟林には究極化、超サイヤ人ゴッド、究極神化、更に究極界王拳と超究極界王拳の併用形態がある。

神の領域到達し、悟空とベジータとも違う進化を続けてきた悟林はカリフラにとって途方もない壁となるだろうが、きっと彼女は悟林の圧倒的な力も成長の糧とするだろう。

「久しぶりだな、悟林さんがあんなに楽しそうなの」

「やっぱり同じ女の人だからかな?同じ女の子のパンちゃんとブラちゃんは小さいし、歳が近そうだから姉ちゃんも張り切ってるね」

「姐さん…」

「凄い…これが第7宇宙のサイヤ人の力…」

ケールがカリフラの身を案じながら、キャベは隣のトランクスと悟天も相当な実力を持っていることを察しており、やはり第7宇宙のサイヤ人は凄いと再認識した。

「動きに無駄が多い。攻撃の時に無駄な力が入ってる。私の動きを目で追おうとしないで、闘いに置いて重要なのは相手の気の動きと流れを読み、そして感覚を研ぎ澄ませるの、さっき君が私の放った気弾に反応したようにね。」

「ぐっ!くそっ!説教しながら攻撃しやがって!余裕ぶっこいてんじゃねえよ!!」

「君は私とお父さんと同じで感覚で掴むタイプでしょ?そして君は大人しく言うことを聞くタイプじゃない…だから…」

鳩尾に拳を叩き込んで動きを止めたカリフラに回し蹴りを叩き込んで吹き飛ばす。

「闘って体で体感して私の技術を盗んでみなよ!!」

「…へっ!上等だぜ…盗んで盗みまくって…あんたに吠え面かかせてやるよ!!」

「お互いに火が着いたね」

「ああ、悟林さんにはまだ体力に余裕があるな…このままだとカリフラさんの体力が尽きるのが先かな…?」

ブウと闘った時は体がまだ成長しておらず、小柄だったために超サイヤ人3のパワーはあまり保たなかったが、今なら多少の時間は闘えるようになった。

「オラオラオラぁっ!!」

カリフラは根性で悟林の攻撃に耐えながら反撃する。

「(良いぞ…私の攻撃が直撃する前に後ろに体を動かしてダメージを抑えてる…反応も良くなってきているね…)」

超サイヤ人3と超サイヤ人2では数倍の差があり、悟林とカリフラの素の実力差も相当な物だが、この熾烈な闘いがカリフラの潜在能力と無駄な動きと力みで発揮出来ていなかった実力が発揮出来るようになってきている。

「(あいつがやっているように攻撃の時だけ、力を爆発させる!そうすりゃあもっと凄え攻撃が出せるようになる!!)こいつでどうだあっ!!」

「っ!!」

カリフラの拳が悟林の眼前に迫る。

疲労が蓄積したことでカリフラの体から無駄な力みが無くなり、更に楽な動きをしようと無意識に体が動いた結果今までよりも無駄が少ない一撃である。

それを見た悟林は笑みを浮かべて掻き消えた。

「くそっ!かわされ…っ!?」

背後から感じるカリフラからすれば規格外とも言えた超サイヤ人3を鼻で笑える程の絶大な気。

カリフラの体から嫌な汗が噴き出る。

振り返ると黒髪に戻った悟林が凶悪な笑みを浮かべて、カリフラの肩に手を置いた。

「今のは良い一撃だったよ」

カリフラの横っ面に拳が叩き込まれて鈍い音がした瞬間、カリフラが勢い良く吹き飛ばされて下界に落下していく。

「カリフラさん!」

「姐さん!!」

「や、やばい!トランクス君!僕、仙豆を貰ってから行くよ!!」

「分かった!俺達も追いましょう!!」

カリフラを追い掛けた悟林を追うようにトランクス達も下界に降りた。

「あ…ぐ…っ…どうなってんだ…第7宇宙のサイヤ人は…何で黒髪の状態で超サイヤ人より強くなってんだよ…」

超サイヤ人3の攻撃が小突きレベルと感じる威力にカリフラは既に限界だった。

「いやあ、ごめんごめん。潜在能力を解放したらまともに闘いにならないと思ってたけど、君は中々筋が良いからさ。少しくらい本気を見せるのが礼儀かなって…大した娘だよカリフラちゃん。君は私の予想を超える成長をしたんだ。これでろくに修行したことがないってんだから大したもんだよ、胸を張りなさい」

「こ、これでまだ少しかよ…へ、へへ…あんたみたいな規格外に褒められても…全然実感湧かねえよ…」

圧倒的な実力差を味あわされたカリフラはもう笑うことしか出来ない。

トランクス達が到着し、悟天が仙豆をカリフラに食べさせるとボロボロだったカリフラが起き上がり、サイヤ人の特性によって大きくパワーアップする。

「これが噂のパワーアップか…なるほど、気分が良いぜ」

溢れるパワー感に満足そうにするカリフラに悟林は笑みを浮かべる。

「どうする?まだやる?」

「当然だ!と言いてえけど…いくらパワーアップしてもあんたには敵わねえ…だから…ケール!やるぞ!!」

「え!?あ、あたしも!?」

「当たりめえだろ!あたし達の奥の手を見せてやんだよ!!」

「奥の手?」

「実は界王神から掻っ払ってたんだ。ポタラ!!」

カリフラが緑色の結晶が付いた耳飾りを取り出して耳に着ける。

ケールも慌てて片耳に着けると2人が合体する。

「「ケールとカリフラで!!ケフラ!!」」

「合体ねえ、確かセルと闘ったんだっけ?なるほど、私もそこそこ本気を出さないと相手にならなそうなパワーだ」

「「それだけじゃねえ、あの虫野郎と闘った時はケールの超サイヤ人が限界だった。でも今のあたしなら…!はあああっ!!」」

ケールの超サイヤ人を更に進化させて超サイヤ人2の状態に持っていく。

「へえ、凄いパワーじゃない。でもそれだけのパワーがあれば超サイヤ人3になれそうな物だけど?ならないの?」

「「…なれねえんだよ」」

「えー?合体してる癖に?」

「「うっせー!うっせー!黒髪で超サイヤ人より強くなっちまうてめえの方がおかしいんだ!!」」

痛いところを突かれたケフラは怒鳴る。

「まあ、君達の場合は鍛え方が全然足りないようだから寧ろ超サイヤ人3になれなくても仕方ないかな?ポタラの合体は闘ったことがないから少し楽しみ。」

気の性質を神の物に変化させると激しかったオーラが緩やかな白い炎を思わせる物になる。

力の大会の時に闘ったブルーセルとは比べ物にならない程の重圧だ。

「「へへ、ぶちのめしてやるよ!!」」

「いくら合体してパワーアップしてもねぇ、地力の無さってのはどうにもならないんだよ?」

力の大会の後も悟林は修行を一切怠らなかった。

素の戦闘力も力の大会の時とは比べ物にならないレベルに至っているのだ。

「「舐めてんじゃねえぞ!!」」

超サイヤ人2のオーラを迸らせながらケフラが飛び掛かるが、ケフラの顔面に悟林の鋭い蹴りが入ってケフラが仰け反った。

「速度自体は君でも捉えられる速度で放った。でも無駄がない一撃の体感速度は馬鹿に出来るもんじゃない…技術の大切さが分かった?」

「「くっ!!この野郎っ!!」」

回し蹴りを繰り出すケフラだが、動きに無駄がありすぎて読みやすい。

悟林はケフラの足を掴むと地面に向けて放り投げて叩き付けた。

「ビッグバンアタック」

間を置かずにビッグバンアタックの気弾を放つと起き上がろうとしているケフラに直撃させる。

倒れ伏しているケフラに悟林は気の輪を数発発射して拘束、自分の前に運ぶ。

「どうしたの無口になっちゃって?合体してるんならもう少し頑張って貰わないと困るんだよね…もっと本気でやってよ…あ、それとも本気でやってその程度かな?だったら失敬。ごめんごめん」

「「この…野郎ーーーっ!!」」

気を解放して拘束を吹き飛ばすと悟林は笑みを深める。

「そうこないとね」

一瞬で距離を詰めて殴り掛かり、ケフラは何とかそれを腕で受け止めて蹴りを繰り出すが、体を回転させながら回避と同時に背後を取り、回し蹴りを叩き込んで吹き飛ばし、追撃の魔閃光を放つ。

ギリギリで何とかかわしたケフラに悟林は満足そうだ。

「受け止めようとしたらそのまま押し潰してやろうと思ってたんだけどその勘の良さは中々だよ。」

「「畜生…合体しても届かねえのかよ…」」

「君達の基本戦闘力は昔の私と比べて遥かに高い。多分、ウイスさんに師事される前の私なら厳しかったろうね。でも如何せん技術がない。動きが荒いから動きが分かりやすい。新しい力に目覚めたてのセルにさえ負けたのもそれが原因だよ。あいつもあいつでお父さん達やフリーザ親子の細胞を持った超天才戦士だからね」

フリーザ親子の冷酷な頭脳にピッコロの再生能力だけでなく、悟空とベジータと言う天才戦士の細胞を持っているのだから単純な力押しでは余程実力がかけ離れていない限りは負けはしない。

「さあて、そろそろピッコロさんからお説教されそうだし…終わらせようか?」

不敵な笑みを浮かべてギャリック砲の体勢を取り、紫のオーラを纏って手のひらに気を極限まで凝縮させる。

超ギャリック砲。

ギャリック砲の強化版で最大出力で放てばファイナルフラッシュよりも強力だ。

手のひらに凝縮された気から紫電が迸って地面を削る。

直撃を受ければケフラもただでは済まないだろう。

「「く、くそっ!!まだだっ!!まだあたしは負けてねえぞーーーっ!!」」

緑のオーラを纏い、更にスパークの激しさも増していく。

「へえ、まだそれだけの力が出せるんだ」

「「あんたの技よりも先に当てられればあたしの勝ちだ!!」」

「なるほど、下手な鉄砲でも数撃ちゃ当たるって言うしね…やってみなよ。当てられたらの話だけどね」

「「舐めんなーーーっ!!」」

体から溢れ出た気さえ利用して無数の気弾を放ってくるケフラに対して悟林は気を高めた状態でかわし続ける。

「おっと」

摺り足で移動し、迫ってきた気弾をかわす。

そして舞空術を使って気弾を掻い潜るようにケフラとの距離を詰めていく。

「「おらああああっ!!」」

しかしケフラも簡単に距離を詰ませるはずもなく、気弾を操作して悟林に直撃させようとする。

それをかわし、時にはバリヤーまで使って防ぐとケフラとの距離が縮まる。

だがケフラもただがむしゃらに気弾を操作していたわけではない。

両手に収束させた気を最後の気弾を回避した悟林に向かって放ち、特大の気功波は悟林に迫るが、咄嗟にギャリック砲の気を利用して気功波を滑り、真上を取ったことで驚愕しているケフラに零距離の超ギャリック砲を叩き込んだ。

「超ギャリック砲!!」

「「うわああああああっ!!」」

気功波に飲まれたケフラはエネルギーの使いすぎとポタラが破損したことで合体が解除されてしまい、2人は余波をまともに喰らって伸びていた。

「楽しかったよ。生きてる?」

「「な、何とか…」」

合体の名残か、カリフラとケールの声がシンクロしている。

「大して修行してないのにこのレベルなんだから…鍛えればもっと強くなるよね…よし、決めた」

「「?」」

やってきたトランクス達から仙豆を貰い、回復した2人は不思議そうにしており、トランクスと悟天はこれから地獄を見ることになるカリフラ達に苦笑した。

「君達3人、私が鍛えてあげるよ」

「ええ!?」

「ご、悟林さんが僕達を!?」

まさか悟林が自分達を鍛えると言うとは思わなかったキャベは目を見開く。

悟林も悟林でキャベを見つめる。

キャベもキャベで超サイヤ人すら知らなかったのに通常状態とは言えベジータと同レベルだったサイヤ人だ。

鍛えれば相当強くなる確信があった。

「なあ、あんた」

「ん?何?」

「あたしらを鍛えるってどういうことだ?」

「ああ、君達って才能はあるけど修行が全然足りてないんだ。カリフラちゃん、君って力の大会に参加するまで喧嘩ばっかりしてたんじゃないの?」

「な、何で分かるんだよ…?」

「えっと…実はお2人は…」

キャベが説明すると、カリフラとケールは惑星サダラでもあまり治安の良くない地域に住んでおり、そこで略奪などをして過ごしていたらしい。

「やっぱりねぇ、道理で戦闘力と技術が噛み合ってないわけだ。喧嘩殺法じゃサイヤ人の力を引き出せない、後はキャベ君は型にハマり過ぎてる感じがするね…型にハマり過ぎていざって時に動けなくなる…後は…ケールちゃんで良いかな?」

「は、はい…」

「君は…まずは君の力がどれくらいか知りたいから超サイヤ人になってくれる?それもフルパワーで」

「え…?あ、あの…」

「悟林さん、ケールさんはまだ超サイヤ人のコントロールが出来ないんです。なれても少しの間しか理性を保てなくて…」

「ああ、大丈夫だよ。暴れそうになった止めるから」

あまりにも楽観的な態度に不安を覚えるキャベはケールのある可能性を教える。

「あの、悟林さん。ケールさんは“伝説のサイヤ人”かもしれないんです」

「何それ?」

「1000年に一度現れる悪魔のサイヤ人です。覚醒したら最後、増幅する自らの力に飲み込まれ、自滅するまで暴れ続ける伝説があるんです。恐らくケールさんが…」

「ふーん、分かった分かった。じゃあ尚更変身してよ、ケールちゃんの何が足りないのか見てあげる」

「話聞いてんのかあんた!?」

「聞いてるよ?そんなヤバいのなら見てみたいじゃない。それに本当にどうしようもない訳じゃなさそうだから、変身よりもケールちゃんの方に問題がありそうだしね。ケフラちゃんの状態じゃあ平気なんだし」

話を聞いても変身を促す悟林にカリフラは怒鳴るが、悟林はどこ吹く風だ。

「………」

「早く」

「わ、分かりました…はあああっ!!」

ケールは意を決して超サイヤ人に変身すると禍々しい気を纏いながら悟林を見ると残虐な笑みを浮かべて殴り掛かった。

「ケール!!」

「悟林さん!!」

カリフラとキャベが叫ぶが、悟林は究極神化を果たすと片手で受け止める。

あっさりと受け止められたことにケールは表情を歪めて何度も大振りの拳を繰り出すが、尽く悟林に捌かれる。

「うん、もういいや」

悟林の姿が掻き消えてケールの腹に強烈な肘打ちが入り、ケールは腹を押さえて悶絶しながら通常状態に戻った。

「ケ、ケール!大丈夫か!?」

「は、はい…な、何とか…」

肘打ち一発で超サイヤ人状態のケールがノックアウトされたことにカリフラとキャベも驚くしかない。

「分かったよ、君はあの力を使うには肉体の強さも精神力も足りてないんだ。」

「姉ちゃん、それってどういうこと?」

悟天が頭上に疑問符をいくつも浮かべながら尋ねてくる。

「うーん、超サイヤ人ってね。君達は平然としてるけど普通の状態よりも狂暴性が増すんだよ。でも私とお父さん達の場合は暴れるような物じゃなかったけど、ケールちゃんの超サイヤ人は普通のレベルじゃないから増す狂暴性が凄いんだ。後、力の使い方が悪い。妙にパワーに傾倒したような状態になってるから欠陥変身みたいになってる。ケールちゃんは肉体と精神の強さが足りないんだ。だからケフラちゃんは使いこなせてるのにケールちゃんが使いこなせてない」

「なるほど、ケールさんにカリフラさんのセンスと精神面の強さが合わさったからケフラさんは使いこなせていたと言うことですね」

「つ、つまりケールさんがその2つを克服すればあの力をコントロール出来ると言うことなんですね!?」

トランクスはケールが使いこなせず、ケフラがあの変身を使いこなせることに納得し、キャベはもしもケールがあの変身を使いこなせるようになればもしかしたらヒットをも超えるかもしれないと思い始めた。

「まあ、そう言うことだね。私としても強敵が増えるのは嬉しいし…君達2人が強くなるってことはケフラちゃんも強くなるってことだからね。別に完全な善意って訳じゃないよ?私にも見返りがあるからやるんだ。強くなりたいなら…鍛えてあげる。どうする?ケールちゃんが嫌なら第6宇宙でコントロール出来ない力に怯えるしかないけど?」

「…まあ、あんたはあたしらよりも遥か上にいるってのは確かだしな…」

「僕達にとって得る物はたくさんあると思います。ケールさんはどうしますか?」

カリフラも納得し、キャベも乗り気なので後はケールだけだ。

「あたし…今のままだと姐さん達に迷惑しか掛けないと思いますから…お願いします…あたしを鍛えて下さい…っ!」

ケール自身もこの力をコントロール出来ずに怯える日々から抜け出すために頭を下げた。

「よーし、分かった。それじゃあ地獄の一丁目に行くつもりで励んでもらうよ?良いとこに連れてってあげる」

第7宇宙のサイヤ人の冷酷な笑みを浮かべる悟林にトランクスと悟天はこれから3人に振りかかる修行と言う名の災難に哀れみの視線を向けるのであった。

3人が連れてこられたのは精神と時の部屋。

「し、白い…何もかも白い空間だ…それに空気が薄いし…凄く暑い…それに体が妙に重い…」

「ここは、精神と時の部屋。ここでは外の1日が1年になるの…気をつけてよ?トランクス君と悟天に気を発してもらうけど、ここは地球と同じくらいの広さがあるからもし迷子になったらここで野垂れ死ぬことになるから…重力は地球の10倍だから、慣れないうちは上手く体を動かせない…その状態で両手足にこれを着けてもらいます」

「錘…?うわっ!?」

キャベはあまりの重さに錘を持てずに落としてしまう。

「1つたったの5tくらいだよ」

「「「5t…!?」」」

あまりの重量に絶句する3人。

10倍重力によって1つ50tだ。

50×4つだから合計200tになる。

悟林はカリフラ達に錘を強引に着けると、ケールは何とか立っているがカリフラとキャベはかなりキツそうだ。

「こ、こんなんで特訓になんのかよ…!?」

「大丈夫だよ。人間は命の危険に曝されれば意外と力を振り絞れるからさ」

悟林の手のひらに膨大な気が凝縮され、それはカリフラ達に向けられる。

気弾に込められた力は明らかにオーバーキルであり、嫌な汗をかく3人に悟林は見惚れる笑みを浮かべながら放った。

カリフラ達はすぐにフルパワーで逃げ出した。

「そらそらそらっ!!上手く避けないと地獄行きだよーーーっ!!!」

「てめええええっ!!覚えてやがれーーーっ!!!」

「カ、カリフラさんっ!!今は避けることに専念を…うわあっ!!」

「キャ、キャベさん!?ひいっ!?死ぬ…!死んじゃう…!!」

この中で一番強いケールでさえまともに喰らえば死ぬ威力の気弾が乱射される。

3人は掠りながらも何とか避け続け、悟林が終わりを告げると3人は死んだように眠った。

「…死んでないよな…?」

「大丈夫…生きてるよ…」

3人を回収したトランクスと悟天は恐る恐る3人が生きてるのを確認し、安堵した。

そして3人が魘され、目を覚ますと満面の笑顔を浮かべた悟林が3人を見下ろし、3人を絶望のドン底に叩き落とした。

「おはよう、気分はどうかな?」

「最悪だ畜生ーーーっ!!!」

「ふふ、楽しんでもらえてるようで何よりだよ。元気が有り余ってるようだし、今日は少し厳しめで行こうか」

「今日は…!?あれで優しめなのかよ…!?」

あの死を感じさせた修行が優しめであったことに愕然となる3人。

そして、悟林との修行の長い付き合いである悟天とトランクスが優しい笑みを浮かべた。

「カリフラさん、3人の修行なんて兄ちゃんがさせられた修行に比べれば遥かに優しいよ」

「悟林さん…悟飯さんを何度も半殺しにしたりしてたからそれと比べれば凄く優しい修行ですから頑張って下さい」

「な、何かアドバイスねえのかよ…!?」

「「死ぬ気で頑張る。それしかない(です)よ」」

「アドバイスになってねえ!!」

「今度は気功波を撃つからね!かわすも良し!相殺するも良し!生き延びてみなよ!!はあああ…っ!!」

紫のオーラを纏い、構えた手のひらに気が凝縮されていく。

「あれはベジータさんの…!」

「父さんのギャリック砲…いや、超ギャリック砲だ!!」

明らかにオーバーキル過ぎる技に悟天とトランクスの表情が引き攣る。

「超ギャリック砲!!」

「「「うわああああああっ!!!」」」

3人の悲鳴が精神と時の部屋に響き渡る。

「何と言うか姉ちゃん生き生きしてるね」

「まあ、久しぶりに鍛えがいのある人達に会えて嬉しいんだろ。最近俺達や父さん達ばっかりでマンネリ化してたみたいだし」

修行も時には刺激がないとつまらなくなる。

あの3人が来てくれて本当に良かった。

自分達の休息も含めて感謝したい。

「ぐっ!!畜生っ!!こんな拷問みてえなことっ!!やってられっかーーーっ!!」

カリフラは錘を外して悟林に殴り掛かる。

悟林は片手でそれを受け止めるが、今までとは比べ物にならないくらいに鋭く重い一撃で、悟林の背後に衝撃波が走る。

「「っ!?」」

今までとは比べ物にならない一撃に逃げていたキャベとケールは目を見開き、カリフラは今までで最高の一撃に驚いていた。

「どう?」

「い、今までとは比べ物にならねえ威力だ…」

「分かったでしょ?どれだけ君が無駄な力を使っていたのかが?あの錘を着けて体を動かすことで君は自然に体を効率良く動かす方法を学んでいた。疲れると人間楽な動きをしようとする。元々君にはこれくらいの力があったってわけ。」

「お、おおっ!体も滅茶苦茶軽い…あ、あんた凄いんだな…」

「でしょ?でも…」

「あだあっ!?」

カリフラの脳天に恐ろしい破壊力の拳骨が落とされ、カリフラは轟音と共に地面に頭を埋められた。

「歯向かった罰は受けてもらうよ。カリフラちゃんは2人より少し弾幕の密度を上げようか」

「「「「(お、鬼だ…)」」」」

戦慄する4人。

カリフラは気絶していたが、無理やり叩き起こされて悟林のより密度を上げた気弾をかわすと言う熾烈な修行をさせられるのであった。

しかし、効果があるのが分かると3人のやる気が違った。

数日経つと錘の重量にも慣れ、外す頃には出せるパワーもスピードもまるで違った。

「凄い…全然重さを感じない…っ!」

10倍重力すら平常時と変わらないと感じるくらいに体が軽い。

試しにキャベが体を動かすとキャベの無駄な力みと動きが取れており、今までより遥かに鋭い動きだった。

「よーし!はあああっ!!」

カリフラも超サイヤ人2に変身すると明らかに部屋に入る前とは桁違いの気を放出している。

「はあああっ!!」

キャベもまた超サイヤ人2に変身し、カリフラに勝るとも劣らない気を放出する。

そしてケールは、少しの躊躇の後に気合を入れた。

「はああああっ!!」

緑のオーラを迸らせて超サイヤ人に変身するが、肉体は大幅に強くなっているが、精神面ではまだまだなのか悟林を標的にして飛び掛かる。

パワー重視の究極系と言われていたケールの超サイヤ人は今までよりも速く悟林との距離を詰めたが、カウンターの拳が鳩尾に入り、そのまま手のひらに極限まで圧縮した気弾を作り出すとケールに直撃させて吹き飛ばした。

「肉体はともかく、精神面かぁ…こればっかりはねぇ…」

「姉ちゃん、どうすんの?」

「俺達は超サイヤ人に変身した時、そんなことはなかったけど、悟林さん達はあったんでしょ?なら、悟林さん達がやった方法なら」

「それが超サイヤ人を日常で慣らすってことなんだよ。あの娘には無理」

そもそも悟林達の初期の超サイヤ人とケールの超サイヤ人ではあまりにもパワーも狂暴性も差がありすぎて比較にならないために参考にならないだろう。

「まあ、何度も殴って繰り返し変身させて慣れさせるしかないね。もう少し痛いのを我慢してもらおうかな」

「待った!ケールの正気を取り戻せば良いんだろ?あたしが正気に戻してやる!!」

「君に出来るの?あの子に比べたら君のパワーなんてゴミみたいな物だよ」

「うっせっ!!ケールはあたしの舎弟だ、あたしがどうにかすんのが筋だろ!!」

「…よし、分かった。悟天、トランクス君、キャベ君。カリフラちゃんにパワーを分けよう」

「え?ゴッドにするつもりなの?でも1人足りないし…」

「まあ、何もしないよりはね。あの娘相手に普通の超サイヤ人じゃ相手にならないし」

「分かったよ悟林さん。カリフラさん、俺達のパワーを渡しますから」

「カリフラさん、お気をつけて」

「へへっ!サンキュー!!」

悟林、トランクス、悟天、キャベの4人がカリフラにパワーを与える。

しかし、カリフラが受け入れられる量に到達してパワー供給を止めようとした時。

「待った!もっとあたしにパワーをくれ」

「そんな!これ以上はカリフラさんの体が保ちませんよ!」

これ以上のパワー供給はカリフラの体が壊れてしまう。

それを危惧したキャベは慌てる。

「このままやってもケールの凄え超サイヤ人には遠く及ばねえ。今のあたしにはあいつとタメを張れるパワーが必要なんだ。頼む、あんたらのパワーをくれ!!」

「分かった、死んでも恨まないでよ?」

「あたしが決めたことだ!恨まねえよ!!」

「しょうがないなぁ、トランクス君。」

「分かってる。行きますよカリフラさん!」

「……カリフラさん…」

「キャベ、お前も遠慮すんなよ!」

「分かりました…!」

限界を超えたパワーをカリフラに注ぎ込み、カリフラは溢れるパワーに体が激痛が走る。

「ぐうううううっ!!」

「カリフラさん!」

「止めんなキャベ!もっとあたしにパワーを寄越せ!」

カリフラは必死に限界を超えて注ぎ込まれるパワーを制御しようとする。

そしてケールがダメージから復帰し、カリフラの異常なパワーに表情を変えてカリフラに襲い掛かる。

「カリフラさ…」

「っ!?」

キャベが叫ぶよりも速くケールは慕っていたカリフラに殴り掛かるが、カリフラがそれを片手で受け止める。

「おらああああああっ!!」

元々カリフラは合体してケフラとなった時、肉体と精神が未熟なためにバランスが悪かったケールの超サイヤ人を使いこなせるセンスを持っていた。

そのセンスで限界を超えたパワーをコントロールし、気を解放してケールを吹き飛ばす。

「超サイヤ人2の超パワーアップ版…超フルパワーサイヤ人2ってとこか…」

オーラの激しさや迸るスパークは超サイヤ人3よりも荒々しく、ケールは暴走状態でありながらも恐怖を覚える程であった。

「でも、あのパワーは長くは保たない」

「(分かってる…凄え勢いで気を消耗してんのが分かる。限界を超えたパワーを使うとこうなんのか…一撃で止める)」

悟林の呟きにカリフラは胸中で理解を示して拳に全パワーを込める。

ケールは吠えながらカリフラとの距離を詰め、何度も殴り掛かるが、強烈な気に守られたカリフラには傷一つ付かない。

「ケール」

「っ!!」

「お前はあたしの自慢の舎弟だ。だからよぉ、何時までも力に振り回されてんじゃねえよっ!!目を覚ましやがれーーーっ!!」

全パワーを込めたカリフラの鉄拳がケールの頬にめり込み、拳に込めたパワーを解放するとケールはそのエネルギーに呑まれ、カリフラの叫びと鉄拳にケールは頭が鮮明になっていく感じがした。

倒れたケールにカリフラが歩み寄ると、ケールが目を開けた。

「目は覚めたかケール?」

「は、はい…迷惑かけました…」

超サイヤ人の状態でケールは意識を保っていた。

強烈な一発とカリフラの怒声によってケールの意識が呼び戻されたようだ。

ショック療法に近い物だが、克服のきっかけにはなるかもしれない。

「ケール、お前は強え。けどよ、何時かあたしもお前とタメを張れるくれえに強くなってみせる。だから超サイヤ人の凶暴性なんざに負けんな」

「は、はい…姐さん」

「へへ…痛ててて…」

変身を解いた瞬間にカリフラは痛みで顔を顰めた。

限界を超えるパワーを注ぎ込まれた反動だろう。

「よし、君達の修行はここまで!後は独自に強くなっていくんだよ!!」

「おう!!」

「「はい!!」」

見事に成長した3人に、悟林は満足そうだ。

取り敢えず部屋を出て食事にする。

「美味え~っ!第7宇宙の飯って最高だな~っ!!」

「姐さん、あたしこんな美味しい料理初めて食べました…!」

「悟林さん達はこんな美味しい物を食べてたんですね」

第6宇宙のサイヤ人も地球の料理は大満足のようだ。

「おい、姐さんっ!!」

「ん?姐さん…って、私のこと?」

食事をしていた悟林が自分を指差す。

「そうだよ!あんた滅茶苦茶強いからな!!あたしなりの敬意って奴だ!!…サンキューな、あんたのおかげで強くなれた。だから礼に…何時かあんたを超えるくらい強くなってボッコボコにしてやるよ!!」

「へえ、それは楽しみだ。待ってるよ」

自分を超えるとまで言ってくれるとは嬉しいことだ。

何せ恋人も弟達も強さに対してそこまで貪欲ではないし、戦闘にも飢えていないので別宇宙とは言え挑戦してくれるのは素直に嬉しい。

「でもね、私を超えるならヴァドスさんに鍛えてもらいなさい。独学じゃあ限界があるし、神の気を使うにはあの人に教えてもらった方が遥かに早く強くなれる…ブルーかそれに近い変身が出来なきゃ…私は超えられないよ…まあ、とにかく最低でも…」

カリフラ達にも分かるように気を感じられる最高の形態である究極化を果たしながら挑発するように口を開いた。

「これくらいは強くなりなさい。試行錯誤して失敗しながらもね」

「上等だ!絶対に追い抜いてやるからな!!」

圧倒的な力の差を見せつけられてもカリフラは怯むどころか獰猛な笑みを浮かべる。

約束の証として互いの拳を軽くぶつけ合い、食事を再会してカリフラ達は第6宇宙へと帰っていった。 
 

 
後書き
ケフラはボコボコでしたが、アニメでは闘った相手が疲弊していた悟空で漫画では悟飯だったので、闘いのレベルが上がりすぎた現状では力不足だった。 
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