| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

神々の塔

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十一話 六歌仙その三

「短いけどな」
「心を打つな」
「漢詩もええけどな」
 漢詩の国である施にも話した。
「和歌もな」
「ええな」
「そう思ったわ」
「そうやったか」
「日本の他のええこともよお知って」
 そうもなってというのだ。
「よかったわ」
「それは何よりやな」
「ほんまな」 
 こう言うのだった。
「私が強く思ってることや」
「それでや」
 ここで羅が言って来た。
「和歌もな」
「好きか」
「学園には和歌部もあるし」
 八条学園高等部にはというのだ。
「ルイス君とかも所属してるな」
「アメリカのな」
「あと歌人でな」
 この職業でというのだ。
「例の四人組の一人の」
「紗枝ちゃんやな」
「あの娘もおるしな」
「起きた世界の部活はちゃうけどな」
「和歌をさらさらと詠む」 
 シェリルは何処か憧れを以て話した。
「それもええな」
「それな」
 羅も言った。
「漢詩をそうしてもええが」
「和歌もやな」
「何かこうな」 
 羅も憧れを目に込めて話した。
「教養あるというか雅というか」
「素敵なもんがあるな」
「ああ、古風でいてな」
「奇麗な」
「そんなもんがあるわ」
 まさにというのだ。
「和歌には」
「そやな」
「それでさらさらと詠う」
「筆で短冊に書くとな」
「尚ええな」
「雅でな」
「そんなものがあるのも日本やな」
 しみじみとしてだ、シェリルは言った。
「忍者とかだけやないな」
「そやな、しかし忍者でもな」
 それでもだ、羅は言うのだった。
「別に和歌はな」
「詠ってええな」
「万葉集では色々な人が詠ってるしな」
 帝に皇室の方に貴族民衆とだ。
「それでな」
「忍者もやな」
「詠ってええな」
「そやな」
「詩人は誰でもなれる」
 こう言ったのはメルヴィルだった。
「そうやしな」
「和歌もやな」
「詩を詠おうと思って」
「詠えばな」
「詩人や」
「ただ詩人は詩に全てを捧げる」
 シェリルはメルヴィルに告げた。
「そうするものやな」
「そう言われてるんか」
「誰かが言ったらしい」
 シェリルもここにいる者達も知らないがこれを言ったのはスターリンである、読書家の彼は子供の頃詩を詠んでいたのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧